• TSRデータインサイト

2024年1月の「円安」関連倒産 2件 前年同月から半減も、19カ月連続で発生

【1月速報】 「円安」関連倒産(1月31日現在) ~


 2024年1月の「円安」関連倒産は2件(前年同月比50.0%減)で、前年同月から半減した。ただ、1ドル=130円を境にした円安相場が続くなか、2022年7月から19カ月連続で発生した。円安で輸入財を中心に、仕入コストの上昇が企業収益を圧迫していることを示す。1月の「円安」関連倒産の負債総額は、1億7,900万円(同91.7%減)と大幅に減少した。

 2024年1月の「円安」関連倒産は、卸売業と小売業で各1件発生した。(株)LFC(東京都、負債1億円)は、新型コロナの影響に加え、円安で海外の部品仕入コストが上昇し、資金繰りに行き詰まった。また、アクアリリー(株)(福岡県、同7,900万円)は、商品の値上げが仕入に支障を来し、経営を直撃した。

 2024年1月の東京外国為替市場は、月初に一時1ドル=142.88円でスタートしたが、円安圧力が強まり、月後半は1ドル=147円~148円台で推移した。円安は原材料や資材に加え、エネルギーなど幅広い分野で価格上昇を招いている。特に、光熱費などのコスト上昇は企業収益を圧迫し、売上増が利益につながりにくいのが実状だ。こうした資金負担から資金繰りに行き詰まる企業が増えている。

円安関連倒産 月次推移

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2025年3月期決算(6月20日時点) 役員報酬1億円以上の開示は117社・344人

2025年3月期決算の上場企業の株主総会開催が本番を迎えた。6月20日までに2025年3月期の有価証券報告書を510社が提出し、このうち、役員報酬1億円以上の開示は117社で、約5社に1社だった。

2

  • TSRデータインサイト

「想定為替レート」 平均1ドル=141.6円 前期比1.9円円高を想定、4期ぶり円安にブレーキ

主な株式上場メーカー98社の2025年度決算(2026年3月期)の期首ドル想定為替レートは、1ドル=140円が48社(構成比48.9%)と約5割にのぼった。平均値は1ドル=141.6円で、前期に比べ1.9円の円高となった。

3

  • TSRデータインサイト

代金トラブル相次ぐ、中古車販売店の倒産が急増

マイカーを売却したのに入金前に売却先の業者が破たん――。こうしたトラブルが後を絶たない。背景には、中古車価格の上昇や“玉不足”で経営不振に陥った中古車販売店の増加がある。倒産も2025年1-5月までに48件に達し、上半期では過去10年間で最多ペースをたどっている。

4

  • TSRデータインサイト

日産自動車の役員報酬1億円以上開示は5人 内田前社長の報酬額は3億9,000万円

 経営再建中の日産自動車が、2025年3月期決算の有価証券報告書を提出した。報酬額1億円以上の個別開示の人数は5人で、前年と同数だった。

5

  • TSRデータインサイト

2024年上場企業の「個人情報漏えい・紛失」事故 過去最多の189件、漏えい情報は1,586万人分

2024年に上場企業とその子会社が公表した個人情報の漏えい・紛失事故は、189件(前年比8.0%増)で、漏えいした個人情報は1,586万5,611人分(同61.2%減)だった。 事故件数は調査を開始した2012年以降、2021年から4年連続で最多を更新した。

TOPへ