• TSRデータインサイト

「らくらくスマホ」のFCNT、プロダクト&サービス事業をLenovoへ「譲渡予定」

 5月30日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請したFCNT(株)(TSR企業コード:027062554)は、プロダクト&サービス事業をLenovo Group Limited(DUNS:662424795、以下Lenovo)に譲渡する予定であることが、FCNTが8月29日付で東京地裁に提出した資料により判明した。

 資料によると、FCNTは民事再生開始決定後の6月16日付でLenovoよりスポンサー支援の意向表明を受け、8月22日付で携帯端末の開発・販売・修理など主要事業について、事業譲渡契約を締結した。今回の事業譲渡にソリューション事業は含まれない。
 今後は、Lenovoが設立する新会社を通じて、9月22日付で事業譲渡を実行する予定。また、この事業譲渡による事業譲渡代金を主な弁済原資として弁済を行う内容の再生計画案を作成することを予定している。ただ、関係筋によると当局の審査の兼ね合いで事業譲渡日は流動的な面もある。
 民事再生を申請した段階では、プロダクト事業のうちの製造・販売事業および、携帯電話の修理・アフターサービス事業については「継続が困難な状況」としていた。
 東京商工リサーチはFCNT側に事業譲渡に関して取材を申し込んでいるが、9月1日正午までに回答はない。


(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2023年9月4日号掲載予定「SPOT情報」を再編集)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「人手不足」企業、69.3%で前年よりも悪化 建設業は8割超が「正社員不足」で対策急務

コロナ禍からの経済活動の再活性化で人手不足が深刻さを増し、「正社員不足」を訴える企業が増加している。特に、2024年問題や少子高齢化による生産年齢人口の減少などが、人手不足に拍車をかけている。

2

  • TSRデータインサイト

「食品業」倒産 2年連続増加の653件 原材料やエネルギー価格、人件費上昇が負担

歴史的な円安が続くなか、歯止めが掛からない食材の価格上昇、人件費などのコストアップが食品業界の経営を圧迫している。2023年度(4-3月)の「食品業」の倒産(負債1,000万円以上)は653件(前年度比16.3%増)で、2年連続で前年度を上回った。

3

  • TSRデータインサイト

【破綻の構図】テックコーポレーションと不自然な割引手形

環境関連機器を開発していた(株)テックコーポレーションが3月18日、広島地裁から破産開始決定を受けた。 直近の決算書(2023年7月期)では負債総額は32億8,741万円だが、破産申立書では約6倍の191億円に膨らむ。 突然の破産の真相を東京商工リサーチが追った。

4

  • TSRデータインサイト

2024年の「中堅企業」は9,229社 企業支援の枠組み新設で、成長を促進し未来志向へ

東京商工リサーチの企業データベースでは、2024年3月時点で「中堅企業」は9,229社(前年比1.2%増、構成比0.7%)あることがわかった。うち2023年の中小企業が、2024年に「中堅企業」に規模を拡大した企業は399社だった。一方、「中堅企業」から「中小企業」へ規模が縮小した企業も311社みられた。

5

  • TSRデータインサイト

「経営者保証」 75%の企業が「外したい」 保証料率の上昇、金融機関との関係悪化を懸念する声も

資金調達時の経営者(個人)保証について、「外したい」と回答した企業が75.5%にのぼり、経営者保証に拠らない融資へのニーズが大きいことがわかった。ただ、保証料率の上乗せや金融機関との関係悪化を懸念して経営者保証を外すことに慎重な企業も多い。

TOPへ