• TSRデータインサイト

2月の「円安」関連倒産は2件、2カ月ぶりに負債総額が10億円超え

~ 【2月速報】 「為替」関連倒産(2月28日現在)~

 2023年2月の「円安」関連倒産は2件(前年同月ゼロ)で、2022年7月から8カ月連続で発生した。
 負債総額は17億7,300万円で、2022年12月以来、2カ月ぶりに10億円を超えた。


 2022年10月20日に一時、1ドル=150円台まで加速した円相場は、2023年1月末には1ドル=130円15銭と円安は
一服した。しかし、2月17日には1ドル=134円台に下落し、その後も136円台で再び円安に振れ始めている。
 2023年2月の「円安」関連倒産は、生鮮魚介類の卸売とカジュアルウェア企画販売の2件発生した。2件とも円安で原材料価格が高騰し、収益悪化から事業継続が困難となり、破産を申請した。
 コロナ禍からの業績回復の遅れに加え、ウクライナ情勢や円安などで物価上昇が続き、光熱費などのエネルギーコストの負担も増している。
 総務省が2月24日に発表した2023年1月の消費者物価指数(2020年基準)は前年同月比4.3%上昇し、2022年
1月(前年同月比0.5%上昇)に比べ伸び率も大幅に拡大している。円安の影響はしばらく続く見込みで、企業だけでなく
個人消費への影響も懸念されている。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

建材販売業の倒産 コロナ禍の2倍のハイペース コスト増や在庫の高値掴みで小規模企業に集中

木材や鉄鋼製品などの建材販売業の倒産が、ジワリと増えてきた。2025年1-7月の倒産は93件で、前年同期(75件)から2割(24.0%)増加した。2年連続の増加で、コロナ禍の資金繰り支援策で倒産が抑制された2021-2023年同期に比べると約2倍のハイペースをたどっている。

2

  • TSRデータインサイト

「転勤」で従業員退職、大企業の38.0%が経験 柔軟な転勤制度の導入 全企業の約1割止まり

異動や出向などに伴う「転勤」を理由にした退職を、直近3年で企業の30.1%が経験していることがわかった。大企業では38.0%と異動範囲が全国に及ぶほど高くなっている。

3

  • TSRデータインサイト

女性初の地銀頭取、高知銀行・河合祐子頭取インタビュー ~「外国人材の活用」、「海外販路開拓支援」でアジア諸国との連携を強化~

ことし6月、高知銀行(本店・高知市)の新しい頭取に河合祐子氏が就任した。全国の地方銀行で女性の頭取就任は初めてで、大きな話題となった。 異色のキャリアを経て、高知銀行頭取に就任した河合頭取にインタビューした。

4

  • TSRデータインサイト

ダイヤモンドグループ、複数先への債務不履行~蔑ろにされた「地域イベントの想い」 ~

ライブやフェスティバルなどの企画やチケット販売を手掛けるダイヤモンドグループ(株)(TSRコード:298291827、東京都、以下ダイヤモンドG)の周辺が騒がしい。

5

  • TSRデータインサイト

2025年1-8月の「人手不足」倒産が237件 8月は“賃上げ疲れ“で、「人件費高騰」が2.7倍増

2025年8月の「人手不足」が一因の倒産は22件(前年同月比37.5%増)で、8月では初めて20件台に乗せた。1-8月累計は237件(前年同期比21.5%増)に達し、2024年(1-12月)の292件を上回り、年間で初めて300件台に乗せる勢いで推移している。

TOPへ