• TSRデータインサイト

登記情報提供サービス、代表者住所の表示を継続へ 省令変更に「反対」多く

 法務省は、インターネットの「登記情報提供サービス」で会社代表者の住所を一律で非表示とする省令案を転換した。これまで通り表示する。代表者住所を非表示とする省令案は2022年2月に公示され、9月1日に施行される予定だった。だが、パブリックコメントで反対意見が多く、一転して方針を転換した。

省令案では、法務局で取得する法人登記には代表自宅が記載されるものの、「登記情報提供サービス」で登記情報を取得した場合、代表者の住所が非表示になる予定だった。個人情報の保護を目的としていたが、「現在の法律実務等に与える影響が大きい」や「詐欺的な人物等が関与する企業との取引を排除するために必要」、「政府が唱えるDX等と反対の施策であり、紙ベースの情報に依存することになる」など、パブリックコメントで反対意見が噴出していた。施行直前の省令案が変更されるのは異例だ。なお、ドメスティック・バイオレンス(DV)被害者などの住所非表示は予定通り9月1日から開始される。

法務省の担当者は、東京商工リサーチの取材に対し、「住所非表示は、反対意見が多く省令の改正を延期した。引き続き検討していく」とコメントした。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2022年8月23日号掲載予定「SPOT情報」を再編集)

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「退職代行」からの連絡、企業の3割取り合わず 有給や退職日の交渉などの通知を3割が経験

ことし2月、大手退職代行サービスの代表らが弁護士法違反の疑いで逮捕された。4月に入り、退職代行の話題も出始めたが、弁護士や労働組合以外の「退職代行」業者から連絡があっても、3割(30.4%)の企業が非弁行為が含まれる可能性があり、取り合わないことがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

「マッサージ業」の倒産が過去30年で最多の108件 大手チェーン、リラクゼーション店と競合激化

店舗乱立による過当競争や光熱費、人件費の上昇で「マッサージ業(療術業)」の倒産が増勢をたどっている。 2025年度に倒産した「マッサージ業」は、1996年度以降の30年間で最多だった2019年度の98件を抜き、過去最多の108件(前年度比14.8%増)に達した。

3

  • TSRデータインサイト

2025年度の「医療機関」倒産 20年で最多の71件 クリニック・歯科医院の淘汰が加速、「破産」が97%超

2025年度に倒産した病院・クリニック(診療所)・歯科医院を合計した「医療機関」は、71件(前年度比20.3%増)だった。2006年度以降の20年間では、2024年度の59件を大幅に上回り、最多を更新した。

4

  • TSRデータインサイト

「士業」の倒産、2年連続最多

「士業」の倒産が目立ってきた。給付金の不正受給の指南や、顧客から預かった資金の流用など、近年はコンプライアンス違反が原因で倒産するケースも目立つ。

5

  • TSRデータインサイト

食品メーカー 売上高は値上げで24兆円に 利益は物価高に値上げが追い付かず二極化

肉・魚加工や菓子類などの「食品メーカー」4,994社の2025年の業績は、売上高24兆2,824億円(前年比3.4%増)、利益は8,806億円(同9.5%減)だった。コロナ禍以降の5年間で売上高は最高を記録した。ただ、利益はコスト上昇で減益の構図が鮮明となった。

TOPへ