• TSRデータインサイト

「抜本再生検討率」が過去最高=第18回「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査

 9月30日で緊急事態宣言、まん延防止等重点措置が全面解除された。東京商工リサーチは解除後の10月1日~11日に企業アンケートを実施した。
 中小企業の「廃業検討率」(廃業を検討する可能性)は6.4%で、昨年8月に設問を設定以降で最低だった。一方、再生支援協議会や事業再生ADR、民事再生法などを活用した「抜本再生」の検討可能性は、中小企業の6.9%が「ある」と回答。同様の設問を設定した第14回調査(3月)は5.6%、前回(8月)は5.6%で、前回調査より1.3ポイント上昇。3回の調査では最高となった。
 コロナ禍の収束時期について、「年内」との回答は3.4%にとどまった。「2023年以降」は41.6%(2,709社)で、コロナ禍の影響はまだ1年以上続くと考える企業が多いことがわかった。
 感染再拡大の防止に向けた在宅勤務は、大企業の66.1%が「現在、実施している」と回答したのに対し、中小企業は31.3%にとどまった。また、大企業の49.2%が在宅勤務を制度化していると回答したが、中小企業では22.2%にとどまった。企業規模により25ポイント以上の開きが生じており、コロナ禍での働き方改革の定着は中小企業ほど難しいようだ。

  • 2021年10月1日~11日にインターネットによるアンケート調査を実施、有効回答1万286社を集計、分析した。
    前回(第17回)調査は、2021年8月24日公表(調査期間:8月2日~11日)。
    資本金1億円以上を大企業、1億円未満や個人企業等を中小企業と定義した。

本調査結果の詳細はPDFファイルをご覧ください。

第18回「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査[PDF:1.20MB]

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2025年1-9月の「人手不足」倒産が過去最多 「従業員退職」が前年の1.6倍増、初の年間300件超へ

2025年9月に「人手不足」が一因となった倒産は、調査を開始した2013年以降では月間最多の46件(前年同月比109.0%増)を記録した。また、2025年1-9月累計も、過去最多の285件(前年同期比31.3%増)に達し、人手不足はより深刻さを増していることがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

ケーキや和菓子は「高値の花」に、スイーツ店が苦境 倒産は過去20年で最多ペース、競合商品も台頭

街のスイーツ店が苦境に陥っている。材料コストの上昇、酷暑、人手不足が重なり、商品値上げによる高級化も購入機会の減少につながったようだ。2025年1-9月の菓子製造小売の倒産は、過去20年で最多の37件に達した。

3

  • TSRデータインサイト

2025年1-9月「後継者難」倒産が過去2番目 332件 高齢化が加速、事業承継の支援が急務

代表の高齢化が進み、後継者が不在のため事業に行き詰まる企業が高止まりしている。2025年1-9月の「後継者難」倒産(負債1,000万円以上)は332件(前年同期比4.5%減)で、2年ぶりに前年同期を下回った。だが、2025年は過去最多だった前年同期の348件に次ぐ、過去2番目の高水準だった。

4

  • TSRデータインサイト

2025年 全国160万5,166社の“メインバンク“調査

全国160万5,166社の“メインバンク”は、三菱UFJ銀行(12万7,264社)が13年連続トップだった。2位は三井住友銀行(10万1,697社)、3位はみずほ銀行(8万840社)で、メガバンク3行が上位を占めた。

5

  • TSRデータインサイト

2025年度上半期の「円安」倒産30件 仕入コスト上昇が卸売業を直撃

2025年度上半期(4-9月)の「円安」関連倒産は、30件(前年同期比31.8%減)だった。上半期では、2022年度以降の円安では前年度の44件に次いで、2番目の高水準になった。

TOPへ