• TSRデータインサイト

ヴィア・ホールディングス、事業再生ADR手続が成立

 事業再生ADR手続き中の外食(株)ヴィア・ホールディングス(TSR企業コード:290001692、東証1部、以下ヴィアHD)と関連子会社6社は4月20日、第3回債権者会議を開催し、事業再生ADRが成立したことを明らかにした。

 再生計画の骨子は、財務面では対象債権者の金融機関5行より、借入金債務の一部(総額45億円)を株式化し、債務超過を解消する。また、対象債権者の取引金融機関7行より借入債務の返済条件の変更を受ける。
 これに加えて、RKDエンカレッジファンド投資事業有限責任組合から総額15億円の出資を受け、設備投資や運転資金に充当する。また、同投資事業有限責任組合より5億円を借り入れ、構造改革の資金等に充てる。

 RKDエンカレッジファンドは、ヴィアHDのメインバンクでもあるりそな銀行と、関西みらいフィナンシャルグループ傘下の関西みらい銀行、みなと銀行および日本政策投資銀行が2020年9月に組成した(ファンド総額100億円)。りそな、関西みらい、みなとの3金融機関をメインバンクとし、新型コロナウイルスの影響を受けた取引先への支援を目的としている。
 一方、事業面では黒字化が見込めない店舗の撤退(大型店中心に70店舗)、希望退職などによる人員の最適化、コロナ下での顧客性向に合わせたメニューや業態展開を目指し、コロナの影響が軽微な扇屋(焼き鳥)を中心とした事業展開を実施する。計画3期目となる2024年3月期で、連結売上高180億円、営業利益10億円を確保し、自己資本比率25%(2021年3月期末時点の債務超過額45億円)を目指す。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「マレリグループ」国内取引先調査 ~国内の取引先2,942社、影響懸念~

経営不振が続いたマレリグループの持株会社マレリホールディングス(株)(TSRコード:022746064、さいたま市北区)が6月11日(日本時間)、米国でチャプター11を申請した。東京商工リサーチ(TSR)の企業データベースからマレリグループの取引先数(重複除く)は国内2,942社あることがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

2025年1-5月の「病院・クリニック」の倒産 18件 前年上半期に並ぶ、ベッド数20床以上の病院が苦戦

コロナ禍を経て、病院やクリニックが苦境に立たされている。2025年1-5月に発生した病院・クリニックの倒産は18件で、すでに2024年上半期(1-6月)に並んだ。

3

  • TSRデータインサイト

「日産ショック」とマレリ、部品サプライチェーンの再編含み

マレリホールディングス(株)(TSRコード:022746064)と主要子会社は6月11日(日本時間)、チャプター11(連邦破産法第11条)を申請した。東京商工リサーチのデータベースによると、マレリグループの国内取引先は全国2,942社に及ぶ。

4

  • TSRデータインサイト

事前調整に明け暮れたマレリHDが再度破たん ~支援プレイヤーの場外乱闘の果て~

マレリHDを巡っては、準則型私的整理の一種である事業再生ADRでの再建を目指したが、海外金融機関の反対でとん挫し、前年の産業競争力強化法の改正で規定された民事再生の一部手続きを省略する簡易再生へ移行した。

5

  • TSRデータインサイト

2025年度の業績見通しに大ブレーキ 「増収増益」見込みが16.6%に急減

トランプ関税、物価高、「価格転嫁」負担で、国内企業の業績見通しが大幅に悪化したことがわかった。2025年度に「増収増益」を見込む企業は16.6%にとどまり、前回調査(2024年6月)の23.3%から6.7ポイント下落した。

TOPへ