• TSRデータインサイト

マクドナルドが9年ぶりに最高益を更新、持ち帰りとデリバリーが貢献

上場以来、初めて全店売上高が5500億円、営業利益が300億円を突破

 日本マクドナルドホールディングス(株)(TSR企業コード:294151958、新宿区、JASDAQ)は持ち帰りが好調で、2020年12月期(連結)の営業利益が312億9000万円と9年ぶりに最高益を記録。全店売上高も5892億2800万円(前年から401億6900万円増加)と2年連続して過去最高を更新した。コロナ禍で強みのドライブスルーが伸びたほか、デリバリーも好業績をけん引した。
 コロナ禍で一時的に店内飲食を中止した影響やテレワーク、外出自粛で、朝のコーヒーや待ち合わせのためのドリンク購入が減り来店客数は大幅に減少した。一方、食事場所が店内から自宅など店外にシフト。家族や友人分をまとめた持ち帰り購入が増え、客単価が上昇した。また、マックデリバリーサービスやUber Eats、出前館などデリバリーを強化した効果も出た。

2021年12月期は全店売上高6130億円を目指す

 2月9日、発表した2020年12月期(連結)は、売上高2883億3200万円(前年比2.3%増)、営業利益312億9000万円(同11.7%増)、当期純利益201億8600万円(同19.6%増)と大幅な増収増益を達成した。
 FC店を含めた全店売上高は5892億2800万円(前年5490億5900万円)と過去最高だった昨年を上回った。また、営業利益は2011年の281億8200万円、当期純利益も2017年の240億2400万円をそれぞれ上回り、営業利益は上場以来、当期純利益は創業以来、最高益を更新した。
 2021年12月期(連結)の業績予想は、売上高2995億円(前年比3.9%増)、営業利益320億円(同2.3%増)、純利益204億円(同1.1%増)と連続して最高益を見込む。

マクドナルド決算

‌コロナ禍でも業績好調の日本マクドナルドHD(TSR撮影)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2025年3月期決算(6月20日時点) 役員報酬1億円以上の開示は117社・344人

2025年3月期決算の上場企業の株主総会開催が本番を迎えた。6月20日までに2025年3月期の有価証券報告書を510社が提出し、このうち、役員報酬1億円以上の開示は117社で、約5社に1社だった。

2

  • TSRデータインサイト

「想定為替レート」 平均1ドル=141.6円 前期比1.9円円高を想定、4期ぶり円安にブレーキ

主な株式上場メーカー98社の2025年度決算(2026年3月期)の期首ドル想定為替レートは、1ドル=140円が48社(構成比48.9%)と約5割にのぼった。平均値は1ドル=141.6円で、前期に比べ1.9円の円高となった。

3

  • TSRデータインサイト

代金トラブル相次ぐ、中古車販売店の倒産が急増

マイカーを売却したのに入金前に売却先の業者が破たん――。こうしたトラブルが後を絶たない。背景には、中古車価格の上昇や“玉不足”で経営不振に陥った中古車販売店の増加がある。倒産も2025年1-5月までに48件に達し、上半期では過去10年間で最多ペースをたどっている。

4

  • TSRデータインサイト

日産自動車の役員報酬1億円以上開示は5人 内田前社長の報酬額は3億9,000万円

 経営再建中の日産自動車が、2025年3月期決算の有価証券報告書を提出した。報酬額1億円以上の個別開示の人数は5人で、前年と同数だった。

5

  • TSRデータインサイト

2024年上場企業の「個人情報漏えい・紛失」事故 過去最多の189件、漏えい情報は1,586万人分

2024年に上場企業とその子会社が公表した個人情報の漏えい・紛失事故は、189件(前年比8.0%増)で、漏えいした個人情報は1,586万5,611人分(同61.2%減)だった。 事故件数は調査を開始した2012年以降、2021年から4年連続で最多を更新した。

TOPへ