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貸駐車場タイムズ運営のパーク24 上場以来、減収と赤字に初の転落

 時間貸駐車場大手のパーク二四(株)(TSR企業コード:292648243、品川区、東証1部、以下パーク24)は12月15日、2020年10月期(連結)通期決算を発表した。新型コロナの影響が重く、1999年の上場以来、初の減収、純利益も初めて赤字に転落した。コスト削減を進め、2021年10月期(連結)は増収黒字転換を見込んでいる。

 「タイムズパーキング」など国内の貸し駐車場事業は、回復基調にあるが、緊急事態宣言後の外出自粛や企業の営業活動の縮小で駐車場の稼働が悪化した。モビリティ事業のレンタカーはインバウンドや旅行の需要が低下。カーシェア事業は会員数を伸ばしたが、一時利用客が減少した。近年、買収を進めていた海外の駐車場事業は、一部の国でロックダウンなど行動制限などで稼働が落ち込み、海外子会社の減損など特別損失が発生した。

 2020年10月期(連結)は売上高2689億400万円(前年比15.3%減)、営業利益146億9800万円の赤字(前年223億2200万円の黒字)、純利益466億5200万円の赤字(前年123億4800万円の黒字)だった。

 同時に発表した2021年10月期(連結)の業績予想は売上高2820億円、営業利益135億円、当期純利益50億円と増収黒字転換を計画している。

パーク24

‌タイムズパーキング(TSR撮影)

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