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2020年1-10月「負債1,000万円未満の倒産」調査

 2020年1-10月の「負債1,000万円未満」の企業倒産が、542件(前年同期比26.6%増)に達した。すでに、2000年以降で年間最多の2010年の537件を上回り、600件台に乗せる可能性が高まっている。
 産業別では、最多がサービス業他の262件(前年同期比43.9%増)で、全体のほぼ半数(構成比48.3%)を占めた。新型コロナの影響が大きい飲食業などの苦境を示している。
 形態別では、破産が527件(構成比97.2%)と大半を占めた。負債1,000万円以上の企業倒産では、「破産」の構成比は88.9%で、1,000万円未満が8.3ポイント上回る。事業計画が甘い安易な起業や、資金力が乏しい小・零細企業が、深刻な業績不振に陥ったうえに先行きの見通しが立たず、事業継続を断念するケースが多いとみられる。
 原因別では、「販売不振」が383件(構成比70.6%)で最も多かった。創業から日が浅く、事業基盤を確立できないまま本業で躓いた「事業上の失敗」も36件(同6.6%)発生した。
 新型コロナ感染拡大で、国や自治体、金融機関からの資金繰り支援策で資金繰りが緩和した企業は多く、負債1,000万円以上の企業倒産は7月以降、4カ月連続で前年同月を下回っている。
 しかし、小・零細規模の企業、商店が大半を占める負債1,000万円未満の企業倒産は、2020年に入り、1月・5月・8月を除く7カ月で、前年同月を上回っている。  新型コロナ感染拡大の収束が見えないなか、資金力が乏しく、企業基盤も脆弱な小・零細企業、商店が厳しい経営環境に巻き込まれていることを示唆している。この動きは今後、規模の大きな企業にも波及する可能性が高く、負債1,000万円未満の企業倒産の動向に注意が必要だ。

  • ※本調査は2020年1-10月に全国で発生した倒産(法的、私的)のうち、通常の「倒産集計」(負債1,000万円以上)に含まれない負債1,000万円未満の倒産を集計、分析した。

1-10月で、年間の最多件数を更新

 2020年1-10月の「負債1,000万円未満」の企業倒産は542件(前年同期比26.6%増)で、2000年以降で年間最多だった2010年の537件を超えた。
 2020年1-10月は、1月(前年同月比9.6%減)、5月(同48.4%減)、8月(同4.0%減)で減少したが、残る7カ月が前年同月を上回った。四半期別では、1-3月は134件(前年同期比0.7%増)と微増にとどまったが、緊急事態宣言の発令で外出自粛や営業時短などの影響が直撃した4-6月168件(同51.3%増)、7-9月187件(同36.4%増)に急増した。
 10月までの月平均は54件で、10月で年間最多の2010年の537件を抜き、最多件数を更新した。
 負債1,000万円未満の倒産は、代表者の死亡や体調不良など事業承継がスムーズに進まない企業も少なくない。なお、「新型コロナウイルス」関連破たんは、2-10月で累計34件判明。

1000万未満

産業別 10産業のうち、7産業で増加

 産業別では、10産業のうち、小売業、金融・保険業、不動産業を除く7産業で前年同期を上回った。  最多は、サービス業他の262件(構成比48.3%)で、ほぼ半数を占めた。飲食業(48→88件)、理容業を含む生活関連サービス業,娯楽業(30→40件)などで、増加が目立った。
 次いで、建設業77件(構成比14.2%)、小売業53件(同9.7%)、卸売業49件(同9.0%)、情報通信業47件(同8.6%)と続く。
 増加率では、卸売業が104.1%増(24→49件)で最高。次いで、サービス業他43.9%増(182→262件)、情報通信業42.4%増(33→47件)、農・林・漁・鉱業33.3%増、運輸業20.0%増の順。

形態別 破産の構成比が97.2%

 形態別では、破産が527件(前年同期比26.0%増、前年同期418件)。倒産に占める構成比は97.2%(前年同期97.6%)で、前年同期より0.4ポイント低下。
 次いで、民事再生法の11件で、すべてが個人企業の小規模個人再生手続きで、法人の手続きはなかった。
 このほか、取引停止処分3件、特別清算1件。
 負債1,000万円未満では、企業体力が乏しい小・零細企業が多く、業績低迷から抜け出せず、事業継続を断念し、消滅型の破産を選択するケースが多い。
 また、代表者の個人破産に合わせた法人(企業)の処理、代表者の死亡や体調不良、長年にわたり実質的に休眠状態だった企業の整理も散見される。

原因別 販売不振が約7割

 原因別では、最多は「販売不振」の383件(前年同期比17.1%増、前年同期327件)。倒産に占める構成比は70.6%(前年同期76.4%)で、前年同期より5.8ポイント低下した。
 以下、「他社倒産の余波」が61件(前年同期比84.8%増、前年同期33件)。グループの中核企業に連鎖し、倒産するケースが大半。
 また、「事業上の失敗」が36件(同33.3%増、同27件)。業歴が浅く、事業基盤を築くまでには至らなかった企業も多い。
 そのほか、「既往のシワ寄せ(赤字累積)」が21件(前年同期比162.5%増、前年同期8件)。代表者の死亡・病気などを含む「その他」が21件(前年同期13件)だった。

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