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「東日本大震災」関連倒産(4月度速報値)

 2020年4月の「東日本大震災」関連倒産は2件(速報値:4月30日現在)で、3カ月ぶりに前年同月(3件)を下回った。
 震災当月の2011年3月以来、震災関連倒産は110カ月連続で発生、累計件数は1,953件(4月30日現在)に達した。
 震災関連倒産は収束傾向をみせるが、震災発生から丸9年を経てもなお、影響を引き摺った企業の破たんが散見される。また、震災被害からの復興過程において、今般の新型コロナウイルス感染拡大の影響が直撃し、破たんするケースも発生しており、予断を許さない。

4月の倒産事例

 (有)マルキヨウわかめ(TSR企業コード:132381320、法人番号:1370302002144、宮城県石巻市)は、1981年3月設立のわかめ加工品製造業。2002年2月には製品の「三陸松葉」が宮城県水産加工品品評会で県漁連会長賞を受賞。翌月には同製品が宮城県推奨品に指定されるなど、徐々に知名度は浸透していた。こうしたなか、2011年3月発生の東日本大震災による津波被害で社屋が大規模半壊に見舞われ事業を停止。その後は第3次認定グループ及び補助対象事業者に選定されたことで事業再開の目途が立ち、2012年3月には新工場を設置するなど再建途上にあった。しかし、事業は軌道に乗らず、2018年12月期には売上高が約1,900万円にとどまり、債務超過額は約1,500万円に拡大していた。2019年同期に入っても業績好転の見通しが立たないため事業継続を断念し、4月16日に仙台地裁石巻支部より破産開始決定を受けた。

震災後月次推移

 2020年4月の地区別は、東北の2件にとどまった。
 累計件数1,953件の都道府県別で、最も多かったのは東京の572件。次いで、宮城190件、北海道85件、岩手85件、福島82件、神奈川と茨城が各79件、千葉77件、福岡71件、栃木62件、群馬61件、静岡50件、山形48件、大阪47件、埼玉46件と続く。東北6県の倒産件数は462件(構成比23.6%)だった。
 産業別では、最も多かったのが宿泊業や飲食業などを含むサービス業他の520件(構成比26.6%)。次いで、製造業457件(同23.3%)、卸売業354件(同18.1%)、建設業224件(同11.4%)、小売業186件(同9.5%)、運輸業80件、情報通信業64件と続く。
 被害型で分類すると、「間接型」1,725件(構成比88.3%)に対して、「直接型」が228件(同11.6%)だった。

震災関連企業倒産

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