• TSRデータインサイト

「為替」関連倒産(2月度速報値)

 2020年2月の外国為替市場でのドル円相場は、中国の景気刺激策と良好な米経済指標を受けて20日に約10カ月ぶりの高値1ドル=112.21円まで急伸した。しかし、新型コロナウイルスが欧米へ感染拡大も懸念されると、世界連鎖株安に発展、リスク回避姿勢が強まり、28日にはドル円も107.50円まで急落した。
 こうしたなか、2月の「円安」関連倒産速報値は1件(前年同月ゼロ)で、2カ月連続で発生した。(有)サンイースト(TSR企業コード:932050948、法人番号:8290002056269、福岡県大牟田市)は、主に中国の協力工場などで委託製造した衣料品を販売していた。しかし、円安の影響から業績が悪化し、実質債務超過に陥り、2013年頃には事業を停止し2020年1月29日、福岡地裁大牟田支部より破産開始決定を受けた。
 また、「円高」関連倒産は13カ月連続で発生しなかった(前年同月ゼロ)。

円安関連倒産月次推移

円高関連倒産月次推移

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

【破綻の構図】マツオインターナショナル~膨らんだ債務と抜本再生への移行~

婦人服ブランド「ヴィヴィアン タム」「慈雨(じう)」「t.b2」などを展開し、ピーク時には国内外で約400店を構えていたマツオインターナショナル(株)(TSRコード:292635265、以下マツオ)が12月11日、大阪地裁に会社更生法の適用を申請した。

2

  • TSRデータインサイト

交響楽団の収益悪化、来場者戻らずコスト上昇 ~ 綱渡りの自助経営、草の根のムーブメントへの期待 ~

交響楽団が存立の危機に立たされている。多くの交響楽団で収入が落ち込んでおり、赤字が目立つ。会場費や団員などの人件費、楽器の輸送コストなどが上昇のうえ、寄附金や補助金による収入は頭打ちで綱渡りの運営だ。東京商工リサーチは、3期連続で業績が比較できる20団体を調査した。

3

  • TSRデータインサイト

地場スーパー倒産 前年同期の1.5倍に大幅増 地域密着型も値上げやコスト上昇に勝てず

2025年1-11月の「地場スーパー」の倒産が22件(前年同期比46.6%増)と、前年同期の約1.5倍で、すでに前年の年間件数(18件)を超えた。

4

  • TSRデータインサイト

長渕剛さん側、イベント会社の破産申立に続き代表を刑事告訴 ~長渕さん「徹底追求」、イベント会社代表「横領でない」と反論~

歌手の長渕剛さんが代表を務める個人事務所の(株)オフィスレン(渋谷区)が、イベント運営を委託していたダイヤモンドグループ(株)(東京都中央区)の代表を業務上横領罪で刑事告訴したことがわかった。東京商工リサーチの取材で長渕さん側が明らかにした。

5

  • TSRデータインサイト

「ペット・ペット用品小売業」倒産が過去2番目の14件 実質賃金の低迷と物価高がペットの世界にも影響

2025年11月の「ペット・ペット用品小売」の倒産は、1件(前年同月ゼロ)にとどまったが、1-11月累計は14件(前年同期比27.2%増)に達した。

TOPへ