• TSRデータインサイト

ワタミ、新型コロナウイルスで中国の全7店舗を撤退

 2月5日、居酒屋チェーンを展開するワタミ(株)(TSR企業コード:350488649、東証1部)は、中国国内で展開している全7店舗の撤退を発表した。2月4日の臨時取締役会で撤退を決議した。
 ワタミは海外現地法人を通じ、2005年に中国本土1号店として中国・深圳に出店した。以来、「和民」、「響和民」、「サーモン伝説和民」の名称で上海・深圳・蘇州・広州に7店舗を展開していた。
 しかし、新型コロナウイルスの影響は長期化が見込まれ、中国経済の先行きも不透明になっていることを踏まえ、「和民」業態の7店舗の撤退を決定した。
 ワタミの広報担当者は東京商工リサーチの取材に対し、「中国は魅力的な市場で、今後も拡大していく予定だったが、売上減が見込まれ、先行きの見通しが立てられなくなった」と最も大きな要因をコメントした。
 現在、店舗撤退の時期を調整しており、業績への影響及び見通しは精査中。ワタミの海外事業は、アジアを中心に8地域、53店舗を展開している。

ワタミは中国から全面撤退する

‌ワタミは中国から全面撤退する

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2020年2月6日号掲載予定「SPOT情報」を再編集)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

M&A総研の関わりに注目集まる資金流出トラブル ~ アドバイザリー契約と直前の解約 ~

東京商工リサーチは、M&Aトラブルの当事者であるトミス建設、マイスHD、両者の株式譲渡契約前にアドバイザリー契約を解約したM&A総合研究所(TSRコード: 697709230、千代田区)を取材した。

2

  • TSRデータインサイト

中小企業、中高年の活用に活路 「早期・希望退職」は大企業の2.8%が実施

 「早期希望・退職」をこの3年間実施せず、この先1年以内の実施も検討していない企業は98.5%だった。人手不足が深刻化するなか、上場企業の「早期・希望退職」募集が増えているが、中小企業では社員活用の方法を探っているようだ。

3

  • TSRデータインサイト

【解説】秀和システムの法的整理、異変察知は「船井電機より前」

(株)秀和システム(TSRコード:292007680、東京都)への問い合せは、船井電機(株)(TSRコード:697425274、大阪府)の破産の前後から急増した。ところが、あるベテラン審査マンは「ERIが弾けた時からマークしていた」と耳打ちする。

4

  • TSRデータインサイト

1-6月の「訪問介護」倒産 2年連続で最多 ヘルパー不足と報酬改定で苦境が鮮明に

参議院選挙の争点の一つでもある介護業界の倒産が加速している。2025年上半期(1-6月)の「訪問介護」の倒産が45件(前年同期比12.5%増)に達し、2年連続で過去最多を更新した。

5

  • TSRデータインサイト

2023年度「赤字法人率」 過去最小の64.7% 最小は佐賀県が60.9%、四国はワースト5位に3県入る

国税庁が4月に公表した「国税庁統計法人税表」によると、2023年度の赤字法人(欠損法人)は193万650社だった。普通法人(298万2,191社)の赤字法人率は64.73%で、年度集計に変更された2007年度以降では、2022年度の64.84%を下回り、最小を更新した。

TOPへ