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金融庁、預金保険の可変料率への移行に言及

 8月28日、金融庁は2019年度の金融行政方針を公表した。地域金融機関は人口・企業数の減少や2017年度以降の信用コスト率の上昇など、取り巻く環境が著しく変化している。このため持続可能なビジネスモデルの構築が急務となっている。今回の行政方針では、経営理念に基づく戦略・計画の実行と現場への浸透が重要との認識を改めて示した。
ビジネスモデルの持続可能性や金融仲介機能の発揮状況をモニタリングするため、金融庁は各金融機関の経営陣や本部職員、支店担当者など、幅広い階層との対話を進めていく。対話では立場の違いを超え、よりフラットな対話ができるように心理的安全性の確保に努めるという。
金融機関の経営破たんに備えた預金保険については、経営健全性などに基づいた可変料率への移行も検討する。ただ、関係各所との調整が必要なため、「具体的な検討はこれから」(金融庁幹部)として、導入時期などの詳細には踏み込まなかった。
仮に引き上げを伴う可変料率に移行した場合、保険料率が引き上げられた金融機関の対外的信用への影響は決して小さくない。保険料率によって企業や個人が金融機関を選ぶ判断材料の一つになることも想定されるからだ。
そのほか、金融行政の重点施策として、「情報銀行の活用などデータ利活用の促進」、「個人資産の運用環境のさらなる向上」、「暗号資産(仮想通貨)の監視強化」、「海外の金融当局との連携強化」、「対話を重視した検査・監督の実践」などを挙げている。


(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2019年8月30日号掲載予定「SPOT情報」を再編集)

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