• TSRデータインサイト

JTのカナダ法人が「会社更生」、JT本体への影響は

 日本たばこ産業(株)(TSR企業コード:292148852、東証1部、以下JT)は、カナダ子会社のJTI-Macdonald Corp.(DUNS:202252771、以下JTIMC)がオンタリオ州上位裁判所に企業債権者調整法(日本の会社更生法に相当)を申請し、承認されたと公表した。申請は3月8日(現地時間)付け。
 JTIMCはカナダ・ケベック州で喫煙と健康に係る集団訴訟を提起されており、3月1日(現地時間)にケベック州控訴裁判所から約17.7億カナダドル(約1,480億円)の損害賠償の支払いを命じられていた。
 JTは賠償額について、「JTIMCの支払い能力を超えるもの」としており、円滑に事業を継続するため、法的手続きを申請した。JTの担当者は東京商工リサーチの取材に対し、「JTIMCの資本金は5.4億カナダドルでJTの連結子会社。日本事業への影響は現在精査中で判明次第、速やかに開示する」とコメントした。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2019年3月12日号掲載予定「SPOT情報」を再編集)


 TSR情報とは

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2024年度「人手不足倒産予備軍」  ~ 今後は「人材採用力」の強化が事業継続のカギ ~

賃上げ圧力も増すなか他社との待遇格差で十分な人材確保ができなかった企業、価格転嫁が賃上げに追い付かず、資金繰りが限界に達した企業が事業断念に追い込まれている。  こうした状況下で「人手不足」で倒産リスクが高まった企業を東京商工リサーチと日本経済新聞が共同で分析した。

2

  • TSRデータインサイト

2025年1-11月の「人手不足」倒産 359件 サービス業他を主体に、年間400件に迫る

深刻さを増す人手不足が、倒産のトリガーになりつつある。2025年11月の「人手不足」倒産は34件(前年同月比70.0%増)と大幅に上昇、6カ月連続で前年同月を上回った。1-11月累計は359件(前年同期比34.4%増)と過去最多を更新し、400件も視野に入ってきた。

3

  • TSRデータインサイト

【社長が事業をやめる時】 ~消えるクリーニング店、コスト高で途絶えた白い蒸気~

厚生労働省によると、全国のクリーニング店は2023年度で7万670店、2004年度以降の20年間で5割以上減少した。 この現実を突きつけられるようなクリーニング店の倒産を聞きつけ、現地へ向かった。

4

  • TSRデータインサイト

2025年1-11月の「税金滞納」倒産は147件 資本金1千万円未満の小・零細企業が約6割

2025年11月の「税金(社会保険料を含む)滞納」倒産は10件(前年同月比9.0%減)で、3カ月連続で前年同月を下回った。1-11月累計は147件(前年同期比11.9%減)で、この10年間では2024年の167件に次ぐ2番目の高水準で推移している。

5

  • TSRデータインサイト

地場スーパー倒産 前年同期の1.5倍に大幅増 地域密着型も値上げやコスト上昇に勝てず

2025年1-11月の「地場スーパー」の倒産が22件(前年同期比46.6%増)と、前年同期の約1.5倍で、すでに前年の年間件数(18件)を超えた。

TOPへ