• TSRデータインサイト

「為替」関連倒産(1月度速報値)

 1月の外国為替市場での円相場は、3日に急激な円高に振れ、約9カ月ぶりに一時1ドル=104円台後半をつけるなど年明けから波乱含みの展開でスタートしたが、総じて1ドル=108円~109円台の狭いレンジでの推移が続いた。
 しかし、市場関係者からは「円相場は主要企業の想定為替レートに近い水準で、今後もし実勢レートが想定より一段と円高に振れる状況が続けば、輸出企業を中心に業績の下振れ要因になりかねない」との声があがっている。
 企業倒産が依然として沈静化しているなかで、1月の「円安」関連倒産は速報値ながら1件(前年同月2件)で2カ月ぶりに発生した。また、「円高」関連倒産も、過去の円高時のデリバティブ取引の失敗が影響したケースが5カ月ぶりに1件(同1件)発生した。
 1月30日(現地時間)、米連邦準備制度理事会(FRB)が追加利上げを見送った。日米金利差の縮小観測から為替相場は円高懸念が出てきたため、引き続き相場の変動には注意が必要だ。

円安関連倒産月次推移

円高関連倒産月次推移

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「社長の出身大学」 日本大学が15年連続トップ 40歳未満の若手社長は、慶応義塾大学がトップ

2025年の社長の出身大学は、日本大学が1万9,587人で、15年連続トップを守った。しかし、2年連続で2万人を下回り、勢いに陰りが見え始めた。2位は慶応義塾大学、3位は早稲田大学と続き、上位15校まで前年と順位の変動はなかった。

2

  • TSRデータインサイト

内装工事業の倒産増加 ~ 小口の元請、規制強化で伸びる工期 ~

内装工事業の倒産が増加している。業界動向を東京商工リサーチの企業データ分析すると、コロナ禍で落ち込んだ業績(売上高、最終利益)は復調している。だが、好調な受注とは裏腹に、小・零細規模を中心に倒産が増加。今年は2013年以来の水準になる見込みだ。

3

  • TSRデータインサイト

文房具メーカー業績好調、止まらない進化と海外ファン増加 ~ デジタル時代でも高品質の文房具に熱視線 ~

東京商工リサーチ(TSR)の企業データベースによると、文房具メーカー150社の2024年度 の売上高は6,858億2,300万円、最終利益は640億7,000万円と増収増益だった。18年度以降で、売上高、利益とも最高を更新した。

4

  • TSRデータインサイト

ゴルフ練習場の倒産が過去最多 ~ 「屋外打ちっぱなし」と「インドア」の熾烈な競争 ~

東京商工リサーチは屋外、インドア含めたゴルフ練習場を主に運営する企業の倒産(負債1,000万円以上)を集計した。コロナ禍の2021年は1件、2022年はゼロで、2023年は1件、2024年は2件と落ち着いていた。 ところが、2025年に入り増勢に転じ、10月までの累計ですでに6件発生している。

5

  • TSRデータインサイト

解体工事業の倒産が最多ペース ~ 「人手と廃材処理先が足りない」、現場は疲弊~

各地で再開発が活発だが、解体工事を支える解体業者に深刻な問題が降りかかっている。 2025年1-10月の解体工事業の倒産は、同期間では過去20年間で最多の53件(前年同期比20.4%増)に達した。このペースで推移すると、20年間で年間最多だった2024年の59件を抜いて、過去最多を更新する勢いだ。

TOPへ