• TSRデータインサイト

「為替」関連倒産(10月度速報値)

 2018年10月の外国為替市場での円相場は、1日の東京外国為替市場において、米長期金利の先高観などから円売りドル買いが進み、一時、約11カ月ぶりの円安水準となる1ドル=114円台で取引された。米国、メキシコ、カナダが3カ国間貿易協定で合意したことも、米経済の先行き期待感からドル買いに拍車がかかった。しかし、その後はジリジリと円高に振れ、26日のニューヨーク外国為替市場では、9月中旬以来の一時1ドル=111円前半をつけた。米株価の大幅反落を受け、投資家がリスク回避姿勢を強め、相対的に安全な通貨とされる円を買う動きが強まった。
 こうしたなか、企業倒産は依然として沈静化が続き、10月の「円安」関連倒産は速報値ながら6カ月ぶりの発生なし(前年同月1件)。また、「円高」関連倒産も2カ月連続の発生なし(同1件)だった。外国為替市場の関係者では、米中間選挙後の動向が注目されている。結果次第では大統領と議会との「ねじれ」観測が高まりをみせ、先行きの米国の経済政策の停滞による相場の乱高下を警戒する声も出ていることから、引き続き今後の為替の変動には注意が必要だ。

円安関連倒産月次推移

円高関連倒産月次推移

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2025年1-9月の「人手不足」倒産が過去最多 「従業員退職」が前年の1.6倍増、初の年間300件超へ

2025年9月に「人手不足」が一因となった倒産は、調査を開始した2013年以降では月間最多の46件(前年同月比109.0%増)を記録した。また、2025年1-9月累計も、過去最多の285件(前年同期比31.3%増)に達し、人手不足はより深刻さを増していることがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

ケーキや和菓子は「高値の花」に、スイーツ店が苦境 倒産は過去20年で最多ペース、競合商品も台頭

街のスイーツ店が苦境に陥っている。材料コストの上昇、酷暑、人手不足が重なり、商品値上げによる高級化も購入機会の減少につながったようだ。2025年1-9月の菓子製造小売の倒産は、過去20年で最多の37件に達した。

3

  • TSRデータインサイト

2025年1-9月「後継者難」倒産が過去2番目 332件 高齢化が加速、事業承継の支援が急務

代表の高齢化が進み、後継者が不在のため事業に行き詰まる企業が高止まりしている。2025年1-9月の「後継者難」倒産(負債1,000万円以上)は332件(前年同期比4.5%減)で、2年ぶりに前年同期を下回った。だが、2025年は過去最多だった前年同期の348件に次ぐ、過去2番目の高水準だった。

4

  • TSRデータインサイト

2025年 全国160万5,166社の“メインバンク“調査

全国160万5,166社の“メインバンク”は、三菱UFJ銀行(12万7,264社)が13年連続トップだった。2位は三井住友銀行(10万1,697社)、3位はみずほ銀行(8万840社)で、メガバンク3行が上位を占めた。

5

  • TSRデータインサイト

2025年度上半期の「円安」倒産30件 仕入コスト上昇が卸売業を直撃

2025年度上半期(4-9月)の「円安」関連倒産は、30件(前年同期比31.8%減)だった。上半期では、2022年度以降の円安では前年度の44件に次いで、2番目の高水準になった。

TOPへ