• TSRデータインサイト

アメリカ商務省、ZTEへの制裁を解除

 7月13日、アメリカ商務省はZTE Corporation(DUNSナンバー:65-460-8660、本社中国、以下ZTE)に発動していた制裁を解除した。アメリカ商務省は、ZTEがイランなどに通信機器を違法に輸出していたとして輸出制限の対象者に指定する措置を発動。その後、制裁金の支払いなどで和解したが、ZTEが和解内容の一部を十分に履行していないとして今年4月、取引禁止顧客リストに掲載していた。
 ZTEの日本国内での営業は、ZTEジャパン(株)(TSR企業コード:297399250、東京都)が担っている。ZTEが取引禁止顧客リストに掲載されて以降、東京商工リサーチ(TSR)にはZTEジャパンの取引先から資金繰りなどへの影響の問い合わせが寄せられていた。
 取引禁止顧客リストに掲載後の5月、ZTEジャパンの担当者はTSRの取材に対し、「(国内大手通信キャリアは)すでに出荷した分は販売を継続しているが、新しい発注は控えている」と語り、制裁が日本事業に影響を与えていることを認めていた。
 7月18日、再度TSRの取 材に応じたZTEの担当者は、「これから供給体制が整ってくることになり、顧客と調整している。取引先への支払いは(制裁中も)重視していたが、これからも最優先で対応する」とコメントした。また、グローバルでの正式なアナウンスを現在準備中で、来週初めまでにリリース予定との認識を示した。
 ZTEジャパンの2017年12月期の業績は、売上高210億3,592万円、経常利益2億6,264万円、当期純利益1億3,514万円。自己資本比率は6.9%となっている。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年7月19日号掲載予定「SPOT情報」を再編集)


 TSR情報とは

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2024年度「他都道府県への本社移転」 1万6,271社 TSMC効果?九州が転入超過トップ、県別トップは埼玉県

2024年度に他都道府県に本社・本社機能を移転した企業は1万6,271社(前年度比18.7%増)で、前年度から大きく増加した。コロナ禍からの人流回復や需要変化に合わせ、本社移転の動きが活発化している。

2

  • TSRデータインサイト

創光科学の「破産開始決定」が取消しに ~上場子会社、複雑に絡まり合う利害関係 ~

東証プライム上場の医療機器メーカー、日機装(株)(渋谷区)は5月15日、連結子会社の創光科学(株)(渋谷区)の破産開始決定の取消しに関する経過を開示した。 破産手続きを巡り、2年にわたる親会社VS創業者の異例の抗告合戦へと発展した事件は、最高裁の判断でようやく決着した。

3

  • TSRデータインサイト

警備業界は大手2社の寡占化が進む 人手不足で倒産・休廃業が過去最多

全国の主な警備会社828社の2024年の業績は、売上高が1兆9,180億円(前年比2.6%増)、最終利益は1,604億円(同15.6%増)と、堅調に推移している。 業界市場は拡大しているが、大手の寡占化が進み、中小・零細事業者は人手不足でコストが上昇し、経営環境は厳しさを増している。

4

  • TSRデータインサイト

「雇調金」不正受給 倒産率は平均の約31倍 不正公表1,699件、サービス業他が45%

全国の労働局が4月30日までに公表した「雇用調整助成金」(以下、雇調金)等の不正受給件数は、2020年4月からの累計が1,699件に達した。不正受給総額は551億6,918万円にのぼる。

5

  • TSRデータインサイト

マレリにマザーサンが買収提案、私的整理の協議の行方は ~ 「マザーサンの提案は選択肢の一つ」 ~

自動車部品大手のマレリホールディングス(株)は5月26日、私的整理を協議するために都内で集会を開催した。 集会後、マレリHDの関係者が東京商工リサーチの取材に応じ「マザーサンの買収提案は選択肢の一つだ。それしかないような報道がなされているが、一択ではない」とコメントした。

TOPへ