• TSRデータインサイト

「人手不足」関連倒産(5月)

 企業倒産が低水準な推移の一方で、中小企業を中心に人手不足が深刻度を増している。「人手不足」関連倒産は、「後継者難」型が中心で現状は推移しているが人手不足感が解消されない中で、「求人難」型の今後の動向が注目される。


2018年5月は今年最多の37件

 2018年5月の「人手不足」関連倒産は、37件(前年同月比32.1%増、前年同月28件)で今年最多になった。内訳は、代表者や幹部役員の死亡、病気入院、引退などによる「後継者難」型が30件(前年同月22件)、人手確保が困難で事業継続に支障が生じた「求人難」型が2件(同3件)、中核社員の独立、転職などの退職から事業継続に支障が生じた「従業員退職」型が2件(同1件)、賃金等の人件費のコストアップから収益が悪化した「人件費高騰」型が3件(同2件)。

人手不足関連倒産月次推移

5月の産業別、建設業と製造業が最多

 5月の産業別では、建設業8件(前年同月5件)と製造業8件(同4件)が最多だった。次いで、卸売業7件(同ゼロ)、サービス業他5件(同7件)、小売業4件(同5件)と続く。

5月の地区別、9地区のうち8地区で倒産が発生

  5月の地区別では、全国9地区のうち北陸を除く8地区で倒産が発生した。内訳は関東18件(前年同月14件)を筆頭にして、中部5件(同2件)、北海道4件(同1件)、東北3件(同1件)、中国3件(同1件)、九州2件(同4件)、近畿1件(同5件)、四国1件(同ゼロ)の順。

5月の都道府県別、最多は東京11件

 5月の都道府県別では、東京11件(前年同月8件)、北海道4件(同1件)の順だった。

2018年1-5月の要因別、「後継者難」型が約8割

 2018年1-5月の「人手不足」関連倒産は147件(前年同期比8.0%増、前年同期136件)で、前年同期を上回って推移している。
 内訳をみると、「後継者難」型が116件(前年同期比10.4%増、前年同期105件)、「求人難」型が前年同期同数の15件、「従業員退職」型が9件(前年同期比12.5%増、前年同期8件)、「人件費高騰」型が7件(同12.5%減、同8件)になり、「後継者難」型が約8割(構成比78.9%)を占めた。

2018年1-5月の産業別、卸売業が倍増

  2018年1-5月の産業別では、最多がサービス業他の35件(前年同期比9.3%増、前年同期32件)。次に、卸売業30件(同100.0%増、同15件)、建設業26件、製造業25件、小売業13件の順。
 2018年1-5月の地区別では、全国9地区のうち中部(12→19件)、九州(14→15件)、東北(6→12件)、四国(2→6件)の4地区で前年同期を上回った。この一方、減少は関東(64→63件)、近畿(17→14件)、中国(10→9件)、北海道(10→9件)、北陸(1→ゼロ)の5地区。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「リファラル採用」 企業の半数に広がる 定着率はリファラルが新卒、転職エージェントを上回る

東京商工リサーチは、採用に関する企業向けアンケート調査を実施した。人手不足やAI・DXの普及で転職市場の活況が続き、近年はリファラルやアルムナイ採用も広がっている。特に、リファラル採用は、転職エージェントの紹介より従業員の定着率が高いと考える企業が多いことがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

大手ホテル好調 客室単価と稼働率が同時上昇 客室単価はコロナ禍の2倍超、稼働率は83.3%

インバウンド需要と国内旅行の復活で、大手ホテルの客室単価と稼働率が、コロナ禍以降で最高を更新した。 ホテル運営の上場12社(13ブランド)の2025年度の客室単価は、1万7,818円(前年度比8.6%増)で前年度より1,424円上昇した。稼働率は83.3%(前年度82.3%)で、高水準を維持した。

3

  • TSRデータインサイト

経営責任を取る事業再生、ジュピターコーヒーは黒字化へ ~ ネクスト・キャピタル・パートナーズ 単独インタビュー ~

2025年度の企業倒産は1万505件(前年度比3.5%増)で、2年続けて1万件を超えた。 こうしたなか、20年を超すファンド運営で事業再生を数多く手掛けてきたのがネクスト・キャピタル・パートナーズ(株)だ。浅野晃司・取締役執行役員に特色や取り組みを聞いた。

4

  • TSRデータインサイト

企業の7.8%で退職金「増額・導入」  「減額・廃止」企業は月給などへ、資産形成は自己責任

これまで「年功序列」や「終身雇用」が前提の日本の会社では、長く勤め上げてまとまった退職金を受け取ることが一般的だった。だが、東京商工リサーチ(TSR)のアンケート調査で、2023年以降の退職金制度は「増額・導入」が7.8%に対し、「減額・廃止」は1.9%だった。

5

  • TSRデータインサイト

サッカーW杯 日本代表を支える40社 売上1兆円以上8社 設立10年未満も

2026年6月11日、米国・カナダ・メキシコの3カ国共催で、史上最大規模のFIFAワールドカップが開幕する。5月15日、日本代表メンバー26名も発表され、関心が集まるなか、スポンサーシップやパートナーシップなど、サッカー日本代表・日本サッカー協会を支援する企業40社を調査した。

TOPへ