• TSRデータインサイト

上場企業 2018年3月期決算 「継続企業に関する重要事象」の初記載は、サノヤスHD・幸楽苑HDなど8社

 決算開示を延期している一部企業を除いて、上場企業の2018年3月期決算がほぼ出揃った。
5月18日までに2018年3月期の決算短信を開示した上場企業のうち、「継続企業の前提に関する注記」(ゴーイングコンサーン注記、GC注記)を当期決算で初めて記載した企業はゼロだった。
一方、GC注記に至らないまでも、事業継続に重要な疑義を生じさせる事象がある場合に記載する「継続企業に関する重要事象」(以下、重要事象)を初めて記載した上場企業は8社あった。

サノヤスHD、財務制限条項に抵触

 サノヤスホールディングス(株)(TSR企業コード:576562386、東証1部)は中核の造船事業の採算悪化が響き、金融機関とのシンジケートローン契約上の財務制限条項に抵触した。また、低価格中華料理チェーン「幸楽苑」などを手掛ける(株)幸楽苑ホールディングス(TSR企業コード:152024999、東証1部)も店舗の減損損失がかさみ、多額の当期損失を計上、金融機関と締結した財務制限条項に抵触した。今後は人気ステーキチェーン「いきなり!ステーキ」のFC展開などの多角化で再建を図る。

「継続的な赤字計上」を理由が5社

 8社のうち、借入金に関して金融機関からの財務制限条項に抵触したケースが3社あった。いずれも金融機関の了解・合意を取り付けている。また、継続的な赤字計上を理由とするケースが5社だったが、今後の対応策などが取れているとして重要事象にとどまり、GC注記には至らなかった。ただ、いずれも巨額の赤字計上など深刻な業績不振の1年だった事に変わりはなく、業績回復に向けた今期(2019年3月期)の取り組みに注目が集まる。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年5月22日号に「継続企業の前提に関する重要事象」が記載された企業一覧を掲載予定)


 TSR情報とは

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「モームリ」代表が逮捕、変わる「退職代行」への視線

 2月3日、退職代行サービス「モームリ」を運営する(株)アルバトロス(TSRコード:694377686、横浜市)の代表らが弁護士法違反の疑いで警視庁に逮捕された。報道によると、報酬目的で退職代行に関する業務を弁護士に紹介した疑いがある。

2

  • TSRデータインサイト

衆院選の争点 「内需拡大の推進」41.8% 政党支持率は、大企業と中小企業で違いも

1月23日、高市首相が衆議院を解散し、第51回衆議院選挙が1月27日に公示された。2月8日の開票で、解散から投開票まで16日間の戦後最短の決戦となる。

3

  • TSRデータインサイト

2025年「早期・希望退職募集」は 1万7,875人 、リーマン・ショック以降で3番目の高水準に

2025年の「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は43社(前年57社)で、募集人数は1万7,875人(同78.5%増)に達したことがわかった。

4

  • TSRデータインサイト

【最新決算】 私立大学、半数以上が赤字に転落 売上高トップは順天堂、利益トップは帝京大学

全国の私立大学を経営する545法人のうち、半数を超える287法人が直近の2025年3月期決算で赤字だったことがわかった。  

5

  • TSRデータインサイト

2026年1月の「人手不足」倒産 36件 春闘前に「賃上げ疲れ」、「人件費高騰」が3.1倍増

2026年1月の「人手不足」倒産は、36件(前年同月比5.2%減)だった。2025年5月以来、8カ月ぶりに前年同月を下回り、1月としては5年ぶりに前年を下回った。ただ、調査を開始した2013年以降、最多だった前年に次ぐ2番目の高水準を持続している。

TOPへ