• TSRデータインサイト

「東日本大震災」関連倒産(1月度速報値)

 2018年1月の「東日本大震災」関連倒産は1件(速報値:1月31日現在)だった。速報値ながら2017年1月と並び、調査開始以来で最少件数にとどまった。
このように収束傾向が鮮明になるなかで、累計件数は東日本大震災から丸7年を前にして1,852件(1月31日現在)に達した。なお、1月の負債総額は6億5,100万円で2カ月ぶりに前年同月を下回った。

東日本大震災関連倒産 震災後月次推移

2018年1月の倒産事例

 レストラン・ブライダル事業の(株)AD(TSR企業コード: 350767386、法人番号:4020001019397、神奈川県)は、レストラン経営のほか、直営店や全国のレストランなどと提携したウェディング・プロデュースも手がけ、ピークとなる平成20年8月期には売上高25億4,700万円を計上していた。しかし、東日本大震災により、予約のキャンセルや延期が相次ぎ、売上激減から赤字経営に陥った。これまで金融機関の支援を受けながら経営再建を目指してきたが、業績低迷に歯止めがかからず、自力での立て直しが困難になったため、黒字部門を新設会社に事業分割して、株主総会の決議で解散していた。

 「震災関連」倒産は、東日本大震災から丸7年を前にして累計1,852件に達した。
 都道府県別で最も多かったのは、東京の555件だった。次いで、宮城158件、北海道85件、神奈川77件、千葉74件、岩手と茨城が各73件、福岡70件、福島64件、群馬61件、栃木59件、静岡50件、山形47件、埼玉46件、大阪45件と続く。直接被災地の東北6県の倒産件数は397件(構成比21.4%)だった。

 産業別では、最多が宿泊業・飲食店などを含むサービス業他の491件(構成比26.5%)。次に、製造業419件(同22.6%)、卸売業342件(同18.4%)、建設業222件(同11.9%)、小売業174件(同9.3%)、運輸業78件、情報通信業62件と続く。

 被害型で分類すると、「間接型」1,679件(構成比90.6%)に対して、「直接型」が173件(同9.3%)だった。

東日本大震災関連倒産

震災関連の集計基準

「震災関連」の経営破綻は、原則として次の3つのどれかに該当するものを集計している。

  1. 震災により施設・設備・機械等に被害を受けて経営破綻した(直接型)
  2. 以前から経営不振だったが、震災による間接影響を契機に経営破綻した(間接型)
  3. 震災の影響による経営破綻が、取引先や弁護士等への取材で確認できた(直接・間接型)
  • 集計では、すでに震災前に再建型の法的手続を申請しながら、震災による影響で再建を断念し破産手続に移行したケースなどは、倒産件数のダブルカウントになるため集計から除外している。
  • 「震災関連」の経営破綻は下記の「倒産の定義」のいずれかに該当するケースを「倒産」として集計。「事業停止」や「弁護士一任」、「破産手続き中」などの企業は、今後の展開次第で事業再開の可能性もあるため、「実質破綻」として区別した。

倒産の定義(対象:負債額1,000万円以上の法人および個人企業)

  • 会社更生法、民事再生法、破産、特別清算を裁判所に申請した企業(法的倒産)
  • 手形決済などで6カ月間に2回の不渡りを出し、銀行取引停止処分を受けた企業(私的倒産)
  • 企業が経営破綻により事業継続を断念したが、法的手続きを採らず弁護士などに事後を一任して私的整理(内整理)を明らかにした企業(私的倒産)

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「建設コンサルタント」 の業績拡大 ~ 災害対策や老朽化修繕など、安全対策が寄与 ~

2025年1月に埼玉県八潮市で発生した下水道管の破損による大規模な道路陥没事故から1年が経過した。事故を機に普段何気なく利用するインフラの老朽化を身近に感じた人も多いだろう。工事を直接担うのは建設会社だがその裏で設計監理する土木工事の「建設コンサルタント」の業績が好調だ

2

  • TSRデータインサイト

病院経営の法人、採算悪化で赤字法人が5割に迫る 収入は微増、利益はコロナ禍から1兆円以上の大幅減

全国で「病院」を経営する6,266法人の直近決算は、約半数にのぼる3,021法人(構成比48.2%)が赤字だったことがわかった。赤字法人率はコロナ禍以降、3年連続で上昇した。

3

  • TSRデータインサイト

2月の「人手不足」倒産 「求人難」が3.3倍に急増 従業員の採用と賃上げで中小企業は苦悩強まる

2026年2月の「人手不足」倒産は47件(前年同月比147.3%増)で、2025年9月の48件以来、5カ月ぶりに40件台に乗せた。2026年1-2月累計は83件(前年同期比45.6%増)で、同期間では調査を開始した2013年以降、最多だった前年の57件を大きく上回り、増勢を強めている。

4

  • TSRデータインサイト

2月の「ゼロゼロ融資」利用後倒産は27件 返済開始の最後のピークを控え、今後増勢の懸念も

2026年2月の「ゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)」を利用した企業の倒産は、27件(前年同月比18.1%減)で、2カ月連続で前年同月を下回った。

5

  • TSRデータインサイト

2月の「税金滞納」倒産は10件、3カ月ぶりに減少 10件すべて破産、税金滞納が経営再建の障害に

2026年2月の「税金滞納(社会保険を含む)」倒産は、10件(前年同月比33.3%減)だった。3カ月ぶりに前年同月を下回り、2月としては2年連続で減少した。

TOPへ