• TSRデータインサイト

「人手不足」関連倒産(2017年)

 企業倒産が低水準な推移の一方で、中小企業を中心に人手不足が深刻化している。「人手不足」関連倒産は、「後継者難」型が中心で現状は推移しているが人手不足感が解消されない中で「求人難」型が、2017年(1-12月)では前年より2倍増で推移し、今後の動向が注目される。


人手不足関連倒産月次推移

2017年12月は23件発生

 2017年12月の「人手不足」関連倒産は23件(前年同月27件)で、2カ月連続で前年同月を下回った。
 内訳は、代表者や幹部役員の死亡、病気入院、引退などによる「後継者難」型が19件(前年同月24件)、人手確保が困難で事業継続に支障が生じた「求人難」型が3件(同ゼロ)、中核社員の独立、転職などの退職から事業継続に支障が生じた「従業員退職」型がゼロ(同1件)、賃金等の人件費のコストアップから収益が悪化した「人件費高騰」型が1件(同2件)だった。

12月の産業別では建設業が最多

 12月の産業別では、最多は建設業の7件(前年同月7件)だった。次いでサービス業他が6件(同6件)、製造業と運輸業が各3件と続く。

12月の地区別、9地区のうち8地区で倒産が発生

 12月の地区別では、全国9地区のうち北陸を除く8地区で倒産が発生した。内訳は関東6件(前年同月11件)と東北6件(同4件)を筆頭にして、九州4件(同2件)、中部2件(同3件)、北海道2件(同3件)、近畿1件(同3件)、中国1件(同ゼロ)、四国1件(同ゼロ)の順。

12月の都道府県別、最多は福岡4件

 12月の都道府県別では、福岡4件(前年同月2件)、東京と宮城が各3件の順だった。

2017年(1-12月)の要因別、「求人難」型が2倍増

 2017年(1-12月)の「人手不足」関連倒産は317件(前年326件)で、全体の倒産が減少するなかで、ほぼ前年並みで推移している。
 内訳をみると、「後継者難」型が249件(前年比7.4%減、前年269件)、「求人難」型が35件(同105.8%増、同17件)、「従業員退職」型が18件(同5.8%増、同17件)、「人件費高騰」型が15件(同34.7%減、同23件)になり、「求人難」型の著しい増加が特筆される。

2017年(1-12月)の産業別、建設業とサービス業他で約半数を占める

 2017年(1-12月)の産業別では、最多が建設業の79件(前年比3.9%増、前年76件)。次いで、サービス業他が76件(同13.4%増、同67件)と続き、この2産業だけで約半数(構成比48.8%)を占めた。このほか、製造業42件、卸売業39件、小売業26件の順。
 2017年(1-12月)の地区別では、全国9地区のうち北海道(17→24件)、中部(25→32件)、四国(6→10件)、九州(35→40件)の4地区で前年を上回った。この一方、減少は東北(30→21件)、関東(135→132件)、北陸(7→4件)、近畿(50→33件)の4地区で、中国が前年同数の21件だった。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

【2026年3月期決算】役員報酬額1億円以上の開示 過去最多の934人に 社数も387社で最多を更新 上位5人中、外国人4人

2026年3月期決算の上場企業2,198社のうち6月26日12時までに有価証券報告書の提出を確認できたのは9割(90.7%)の1,995社だった。例年と異なり株主総会前に有価証券報告書を提出する上場企業が増えた。報酬額1億円以上の役員を開示した企業は387社、人数は934人で前年の364社・887人を上回った

2

  • TSRデータインサイト

「想定為替レート」 平均1ドル=151.4円 調査開始の2011年以降、初めて対ドル150円を突破

歴史的な円安が加速する中、主な株式上場メーカー103社の2026年度決算(2027年3月期)の期首ドル想定為替レートは、1ドル=150円が60社(構成比58.2%)と約6割を占めた。 調査を開始した2011年3月期首以降の16年間で、「想定為替レート」がドルに対し最安値を更新し、初めて150円を突破した。

3

  • TSRデータインサイト

東証グロースの海帆、資金繰り悪化が表面化

居酒屋経営などを手掛ける(株)海帆は6月26日、弁済が出来ていない民間企業1社に対する1億993万円の債務を巡り、名古屋地裁から預金の差押命令を受けたと公表した。また、5・6月の社会保険料を滞納しており、日本年金機構から商品代金・預金の差押を受けたと明らかにした。

4

  • TSRデータインサイト

「リファラル採用」 企業の半数に広がる 定着率はリファラルが新卒、転職エージェントを上回る

東京商工リサーチは、採用に関する企業向けアンケート調査を実施した。人手不足やAI・DXの普及で転職市場の活況が続き、近年はリファラルやアルムナイ採用も広がっている。特に、リファラル採用は、転職エージェントの紹介より従業員の定着率が高いと考える企業が多いことがわかった。

5

  • TSRデータインサイト

サッカーW杯 日本代表を支える40社 売上1兆円以上8社 設立10年未満も

2026年6月11日、米国・カナダ・メキシコの3カ国共催で、史上最大規模のFIFAワールドカップが開幕する。5月15日、日本代表メンバー26名も発表され、関心が集まるなか、スポンサーシップやパートナーシップなど、サッカー日本代表・日本サッカー協会を支援する企業40社を調査した。

TOPへ