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【2017年(1-12月)】「飲食業」の倒産状況(2017年12月29日現在)

 2017年(1-12月)の「飲食業」の倒産は速報値で762件(前年639件)に達した。前年より約2割増で推移し、3年ぶりに750件を上回った。
 負債総額は、負債1億円以上5億円未満の企業倒産が4割増と負債を押し上げ、前年を上回った。ただし、全体では負債1億円未満の小・零細規模が88.8%を占めた。
 仕入価格高騰や人手不足による人件費増加などのコストアップが影響し、さらに、景気実感の乏しさを背景とした個人消費の鈍さが、倒産増加に拍車をかけているとみられる。


  • ※調査対象の「飲食業」は、食堂,レストラン、専門料理店、居酒屋などの酒場,ビヤホール、喫茶店、宅配飲食サービス業、持ち帰り飲食サービス業などを含む。

2017年(1-12月)の「飲食業」倒産、前年比19.2%増

 2017年(1-12月)の「飲食業」倒産は、速報値で762件(前年639件)に達し、水準としては2014年(768件)以来、3年ぶりの750件超えになった。全体の倒産件数が低水準で推移するなかで約2割増(前年比19.2%増)と、2年連続で前年を上回った。

飲食業の倒産 年次推移

負債1億円未満が約9割

 2017年(1-12月)の負債総額は、速報値で416億6,500万円(前年比23.7%増)になり、2年連続で前年を上回った。
 負債10億円以上の大型倒産は前年同数の4件だった一方で、負債1億円以上5億円未満が74件(前年比48.0%増、前年50件)と大幅に増加したことが影響した。
 ただし、全体では負債1億円未満が677件(構成比88.8%)と約9割を占め、小規模企業倒産がほとんどを占めている。
 主な大型倒産では、ステーキ店「KENNEDY」を都内中心に27店舗展開していた(株)ステークス(東京、負債13億8,000万円)、ピザ専門店「NAPOLI」などを展開していた(株)遠藤商事・Holdings.(東京・同12億7,000万円)、宅配ピザ店「10・4(テン・フォー)」を展開していた(株)オーディンフーズ(北海道、同7億円)など。

業種別、居酒屋など「酒場,ビヤホール」が3割増

 業種別では、最多が日本料理・中華料理・フランス料理店などを含む「専門料理店」の203件(前年比13.4%増、前年179件)。次いで、「食堂,レストラン」の200件(同34.2%増、同149件)、次いで、居酒屋などを含む「酒場,ビヤホール」が115件(同35.2%増、同85件)、「喫茶店」が59件(同34.0%増、同44件)とそれぞれ増加が目立った。
 このほか、宅配ピザ店などを含む「宅配飲食サービス業」が42件(同7.6%増、同39件)、持ち帰り弁当店などの「持ち帰り飲食サービス業」が23件(同27.7%増、同18件)など。

原因別、販売不振が8割

 原因別では、最多が販売不振の618件(前年比17.7%増、前年525件)で、全体の8割(構成比81.1%)を占めた。次いで、事業上の失敗が41件(前年比46.4%増、前年28件)、既往のシワ寄せ(赤字累積)が34件(同17.0%減、同41件)の順。
 形態別では、事業消滅型の破産が708件(同20.0%増、同590件)と全体の9割(構成比92.9%)を占め、厳しい経営環境を反映した。また、再建型の民事再生法は23件(前年21件)、取引停止処分が18件(同18件)、特別清算が11件(同4件)と続く。


 2017年(1-12月)の飲食業の倒産は、前年より約2割増で推移して厳しい経営環境を反映したが、東京商工リサーチ調べの飲食業の休廃業・解散企業数でも、2013年の574件以降は、2014年617件、2015年622件、2016年724件と3年連続で増加している。これは、仕入価格高騰や人手不足による人件費の増加などのコストアップが影響しているとみられる。
 飲食業は「参入は容易だが、生き残ることが難しい業界」と言われる。さらに、顧客の飽きが早く、次々にブームは起きても冷めやすく、一つのメニューやビジネスモデルが持続する期間が長続きしにくいとの指摘もある。
 さらに、各種経済指標が改善をみせても、消費者が景気上昇の実感に乏しいことも、外食や飲酒など飲食関連に向ける個人消費の伸び悩みの背景として考えられる。このため、飲食業の倒産は今後も増勢が懸念される。

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