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関西アーバン銀行・みなと銀行・近畿大阪銀行 「取引企業」調査

 2月20日、三井住友フィナンシャルグループの関西アーバン銀行(大阪府)、みなと銀行(兵庫県)と、りそなホールディングス傘下の近畿大阪銀行(大阪府)が経営統合を協議との報道がなされた。総資産(2016年9月中間期連結ベース)は、関西アーバン銀行が4兆5,187億円、みなと銀行が3兆5,103億円、近畿大阪銀行が3兆5,809億円で、3行合計では11兆6,100億円となる。
 東京商工リサーチでは保有する企業データベースを活用し、関西アーバン銀行、みなと銀行、近畿大阪銀行をメインバンクとする企業を調査した。3行がメインバンクの企業数は関西アーバン銀行が6,307社、みなと銀行が7,135社、近畿大阪銀行9,430社の合計2万2,872社だった。
 大阪府を基盤とする関西アーバン銀行と近畿大阪銀行、兵庫県を基盤とするみなと銀行の経営統合が実現すれば大阪府、兵庫県を中心に存在感を増し、地域に密着した金融連合が誕生すると予想される。


  • 本調査は、東京商工リサーチの企業データベース(対象398万社)から、関西アーバン銀行・みなと銀行・近畿大阪銀行をメインバンクとする企業を集計、分析した。複数ある場合は、最上位行をメインバンクとして集計した。

各金融機関の概要

3行とも取引がある企業は66社で、各行の重複先は少ない

 関西アーバン銀行をメインとする企業は6,307社、みなと銀行が7,135社、近畿大阪銀行が9,430社。
 各金融機関をメインとする企業の本社所在地をみると、大阪府に本店を置く関西アーバン銀行は平成22年3月に滋賀県に本店としていたびわこ銀行と合併した経緯から、大阪府が3,516社(構成比55.7%)、滋賀県が2,002社(同31.7%)と高い割合を示した。同様に、みなと銀行は兵庫県に本店を置いていることから、同行をメインとする企業7,135社の内、兵庫県に本社所在地を置く企業は6,814社(同95.5%)。大阪府が本店の近畿大阪銀行は、大阪府が8,703社(同92.2%)であった。この点から、何れの金融機関も地元密着の体制を構築していると言える。
 また、3行とも取引のある企業は66社、関西アーバン銀行をメインバンクとする企業のうち、みなと銀行または近畿大阪銀行と取引のある企業は205社、みなと銀行をメインバンクとする企業のうち、関西アーバン銀行または近畿大阪銀行と取引のある企業は56社、近畿大阪銀行をメインバンクとする企業のうち、関西アーバン銀行またはみなと銀行と取引のある企業は253社だった。各行が重複している先は少ないことがわかった。

都道府県別メインバンク取引企業数

産業別 建設業が最も多い

 3行がメインバンクとの企業を産業別でみてみると、建設業が最も多く、関西アーバン銀行は2,462社(構成比39.0%)、みなと銀行は2,418社(同33.8%)、近畿大阪銀行は3,520社(同37.3%)だった。
 次点以降では、関西アーバン銀行をメインバンクとしている企業では、サービス業他1,023社(同16.2%)、不動産業917社(同14.5%)、製造業558社(同8.8%)、小売業541社(同8.5%)の順。みなと銀行では、サービス業他1,259社(同17.6%)、小売業829社(同11.6%)、製造業819社(11.4%)、卸売業816社(同11.4%)と続く。近畿大阪銀行では、サービス業他1,303社(同13.8%)、製造業1,301社(同13.8%)、卸売業1,201社(同12.7%)、小売業899社(同9.5%)となった。
 建設業に続き、サービス業他が次点となっていることは共通しているが、関西アーバン銀行は不動産業が多い一方、みなと銀行と近畿大阪銀行は製造業や卸売業、小売業の構成比が高い。この点から、お互いの産業別ノウハウを共有しつつ、異なる地盤を有するというメリットが得られると期待される。

産業別メインバンク取引企業数

 金融庁は、平成28年9月に公表した「金融レポート」の中で「(本業での利益が)平成37年3月期では6割を超える地域銀行がマイナスになる」と試算した。10月公表の「金融行政方針」などで、顧客企業へのコンサルティングや事業再生支援等を通じた良質なサービスの提供の在り方について地域金融機関と対話強化の姿勢を鮮明にしている。
 地域金融機関は、平成28年4月に横浜銀行(横浜市)と東日本銀行(東京都)がコンコルディア・フィナンシャルグループ(東京都)を設立して経営統合した。10月には常陽銀行(水戸市)と足利ホールディングス(東京都)が統合し、めぶきフィナンシャルグループが発足するなど、活発な動きが相次いでいる。また、平成29年1月、三重銀行(四日市市)と第三銀行(松阪市)が経営統合に向けた交渉を開始したと報道された。
 近畿地区は、地元金融機関以外にも北陸、東海、中国、四国の各地区の金融機関が参入、店舗の増設を進めるなど競合が一層進んでいる。関西アーバン銀行・みなと銀行・近畿大阪銀行の経営統合は、お互いのノウハウや地域性、スケールメリットを活かした展開になることが予想される。
 地域経済の活性化には、事業性評価を通じたコンサルティングや経営サポートが欠かせない。今回の関西アーバン銀行・みなと銀行・近畿大阪銀行が経営統合の協議という報道は、グループの垣根を越えたものであり、金融再編の新たな局面に入ったことを予感させるものである。信金などを含めたその他の地元金融機関が中小企業育成にどう取り組むか、域外の金融機関の戦略なども注目される。

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