「人手不足」関連倒産 2014年は合計301件
大手企業を中心に業績が好転し、「人手不足」は幅広い産業に波及している。これに起因した「求人難」による倒産も発生している。
東京商工リサーチでは、これまでも「人手不足」関連倒産を集計していたが、主に代表者死亡や入院などによる「後継者難」型、経営幹部や社員の退職に起因した「従業員退職」型が中心だった。だが、最近は「求人難」型も目立ってきた。
2014年12月の「人手不足」関連倒産は25件(前年同月18件)。この内訳は、代表者死亡などによる「後継者難」型が23件。「求人難」型と「従業員退職」型が各1件だった。
2014年(1-12月)では合計301件(前年比14.4%増、前年263件)に達し、このうち代表者の死亡や入院などによる「後継者難」型が271件(前年234件)、「求人難」型が19件(同11件)、「従業員退職」型が11件(同18件)だった。事業継承の課題が深刻化していることを背景に「後継者難」が圧倒的だが、「求人難」型の今後の動きが注目される。
また、最近の倒産では、人件費高騰による負担増から資金繰りが悪化したケースも出ている。「人件費高騰」関連倒産は、2014年12月は1件発生し、2014年(1-12月)の合計は26件(前年比188.8%増、前年9件)になった。人手不足や人件費高騰は中小企業の重しになっている。