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2013年「全国社長 出身地・出身校」調査

 都道府県別の社長「輩出率」トップは4年連続で山形県だった。社長の出身地と会社所在地を対比した「地元率」では、沖縄県が94.4%と前年に引き続き最高だった。
社長の出身校は、日本大学が断トツ。上位50校では、国公立大は7大学にとどまり、国公立大のなかでトップは全体で15位の東京大学だった。

  • 本調査は、東京商工リサーチの企業データベースから、2013年12月時点の約254万件の代表者データ(個人企業を含む)を抽出し、出身地や出身校(最終学歴)をまとめた。本調査は2010年から4回目。

社長の出身地 最多は東京都、最少は鳥取県

 社長の出身地の都道府県別では、最多は東京都の7万6,739人だった。次いで、北海道5万272人、大阪府4万6,470人、愛知県4万2,963人、神奈川県3万726人、福岡県2万8,520人、広島県2万8,018人と大都市、地方の中核都市が続く。これに対し、最も少なかったのは鳥取県の4,400人。次いで、滋賀県5,980人、佐賀県6,199人、島根県6,774人の順。

社長出身地

社長の「輩出率」 山形県が4年連続でトップ

 出身地別の社長数と人口(総務省「人口推計」2012年10月1日現在による)を対比した「輩出率」では、最も比率が高かったのは山形県の1.30%で、4年連続でトップとなった。
山形県は「辛抱強くて、堅実」な県民性に加えて、江戸時代から商工業の重点が高い土地柄。絹織物「米沢織」や「山形鋳物」など有名な伝統商品を数多く有し、老舗企業の割合が高いのも特徴である。一方、新設事業所の割合および廃業率は全国平均を下回り、産業の新陳代謝が鈍い一面も指摘される。さらに1996年以降は人口減少が続き、1985年に126万人だった人口は、2013年には115万人を下回り、こうしたことで輩出率が高止まりしている側面もある。
2位は徳島県の1.29%。質素・倹約を旨とし、実利に富む県民性で知られる。以下、香川県1.22%、秋田県1.08%、愛媛県1.02%と続き、トップ3は前年と変わらず、上位には東北と四国が目立った。これに対し、輩出率が低いのは埼玉県(0.25%)、千葉県(0.27%)、神奈川県(0.33%)など、首都圏のベッドタウンが顔をそろえた。

社長輩出率

社長の「地元率」 沖縄県が最高の94.4%

 社長の出身地と会社所在地を対比した「地元率」では、地元出身社長の比率が最も高かったのは沖縄県の94.4%(前回94.3%)で4年連続トップ。次いで、愛知県89.7%、北海道87.8%、広島県86.7%の順だった。愛知県や広島県のように自動車産業など主力産業がある地区では、お膝元に関連業種が集中し、結果的に地元出身者が創業して社長になるケースも多いとみられる。
一方、「地元率」が最も低かったのは佐賀県の65.8%。次いで、奈良県67.0%、鹿児島県67.4%と続く。全国平均は79.7%で、19道府県で平均を上回った。地区別では、北海道が87.8%で最も高かった。

社長地元率

社長の「出身校」 日本大学が最多

 社長の「出身校」では、最多は日本大学の2万2,124人で4年連続トップ。都道府県別でも日本大学が上位3校に入っていないのは、愛知県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、福岡県、沖縄県の8府県だけだった。次いで、2位が慶応義塾大学1万1,120人、3位が早稲田大学1万934人。4位明治大学9,358人、5位中央大学8,695人、6位法政大学6,925人と続く。国公立大学では、15位(前回15位)に東京大学3,430人、21位京都大学2,229人、25位北海道大学1,894人、36位大阪大学、37位東北大学、40位神戸大学、43位九州大学の順だった。

社長出身校

 政府は成長戦略の一つとして「開業率」アップを掲げている。これには地方経済の立て直しが急務である。少子化と高齢化の同時進行で、地方は経済発展の源になる人口の減少が続いている。大企業や主力産業の少ない地域では雇用の受け皿が乏しく、人材の流出が衰退に拍車をかける悪循環に陥っている。社長の「地元率」は、地域の活力を示すバロメーターといえる。

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