• TSRデータインサイト

2013年「業歴30年以上の老舗企業倒産」 倒産企業の平均寿命は23.6年

 2013年に倒産した業歴30年以上の老舗企業は3,051件で、前年(3,320件)より269件減少した。だが、倒産件数(9,628件)に占める割合は31.6%と、前年より0.4ポイントアップし過去15年間で構成比は最高を記録した。一方、業歴10年未満は2,242件(前年2,488件)で、構成比は23.2%と2年連続でダウンした。
都道府県別の老舗企業の倒産構成比トップは、新潟県の60.0%だった。前年から8.3ポイントアップし、2011年以来、2年ぶりのトップとなった。次いで、山口県(構成比57.1%)、和歌山県(同51.6%)、岩手県(同51.2%)と続き、上位4県は構成比50%以上だった。地区別では、中国(同42.9%)が前年より3.3ポイントアップし、2008年以来、5年ぶりにトップとなった。
2013年の倒産企業の平均寿命は23.6年で、前年より0.1年延びた。2013年3月末に金融円滑化法が終了した後も金融機関の支援姿勢に変化はみられず、また金融モニタリング体制などで倒産は抑制された。こうした政策支援も倒産企業の平均寿命の延長を後押ししたとみられる。

  • 本調査は、東京商工リサーチの集計した2013年の企業倒産、1万855件(負債1,000万円以上)のうち、詳細な創業年月が判明しない個人企業を除く、9,628件(構成比88.7%)を対象に分析した。本文では業歴30年以上を『老舗』企業と定義した。業歴対象は、法人企業が設立年月、個人企業は創業年月。

老舗企業の倒産構成比31.6%、3年連続で上昇

 2013年に倒産した企業で業歴が判明した9,628件のうち、業歴30年以上の老舗企業は3,051件(構成比31.6%)だった。構成比は1999年以降の15年間で最高を記録した。構成比は、前年より0.4ポイントアップし、3年連続で上昇した。一方、業歴10年未満は2,242社(同23.2%)で、前年より0.1ポイントダウンし、構成比は2年連続で縮小した。
倒産した老舗企業はバブル経済以前の設立で、商品の陳腐化や経営革新の遅れに加え、バブル期に不動産や証券、設備などに投資した企業も多い。だが、バブル崩壊で多額の借入金が財務面を圧迫し、業績面も低迷が続いていた。2013年3月末に金融円滑化法が終了、その後も金融機関はリスケに応じているが、徐々に業績改善が遅れた老舗企業の脱落や運転資金の欠乏による倒産が目立ち始めている。
資本金別では、5千万円以上1億円未満のうち倒産した老舗企業は構成比50.0%(前年51.6%)と最も高かった。次いで、個人企業他では同45.7%(前年44.9%)、1千万円以上5千万円未満では同43.9%(同43.2%)と続き、長年の業歴がありながらも小・零細規模にとどまる企業が中心だった。

業歴別企業倒産件数構成比推移

政策支援で平均寿命が3年連続延びる

 2013年の倒産企業の平均寿命は23.6年(法人9,208件の平均寿命23.3年、個人企業420件の平均寿命30.2年)だった。3年連続で前年を上回り、ここ15年間では、2003年(24.6年)に次ぐ平均寿命になった。中小企業金融円滑化法やセーフティネット保証(5号)などの政策支援で中小企業の資金繰りは一時的に緩和し、倒産が抑制されている。2009年12月に中小企業金融円滑化法が施行された以降、倒産企業の平均寿命は2011年(前年比0.6年増)、2012年(同0.5年増)、2013年(同0.1年増)と延び続け、政策効果が企業の延命となって現れている。

倒産企業の平均寿命推移

産業別 製造業では倒産した老舗企業が45.2%

 2013年に倒産した老舗企業の産業別構成比は、製造業が45.2%(前年44.8%)で最も高かった。次いで、卸売業37.0%(同36.4%)、不動産業33.8%(同29.0%)、運輸業32.9%(同36.3%)、建設業32.1%(同30.3%)の順だった。
一方、業歴10年未満の構成比は、金融・保険業が56.5%(前年57.4%)で最も高かった。次いで、情報通信業34.7%(同37.6%)、サービス業他34.3%(同33.8%)の順で、上位3産業が30.0%以上だった。老舗企業の構成比で最高だった製造業は12.1%(同14.5%)にとどまり、業歴10年未満の構成比では最も低かった。業歴10年未満で構成比がトップだった金融・保険業は、投資(資産)運用業などが多く、リーマン・ショックの影響で深刻な業績不振から脱却できないケースが散見される。

都道府県別 老舗企業倒産の構成比トップは2年ぶりに新潟県

 2013年の都道府県別の老舗企業倒産の構成比は、新潟県が60.0%(前年51.7%、3位)と最も高かった。とくに、金融・保険業、運輸業を除く8産業で老舗企業倒産の構成比が50%以上と高かった。次いで、山口県が57.1%(同46.1%、6位)、和歌山県が51.6%(同48.0%、5位)、岩手県が51.2%(同26.8%、40位)と続く。上位4県で、老舗企業倒産の構成比が50.0%を上回り、全国平均31.6%以上は31道府県(同31.2%、31道県)だった。沖縄県は17.9%(同14.0%、47位)で、15年以上連続で老舗企業倒産の構成比が最も低かった。
一方、業歴10年未満の構成比が最も高かったのは福島県で33.3%(同8.5%)だった。老舗企業の構成比が前年より上昇したのは25道府県(前年17都府県)。岩手県が前年比24.4ポイントアップと最も上昇した。次いで、富山県が同15.9ポイントアップ、山口県が同11.0ポイントアップ、千葉県が同10.9ポイントアップ、高知県が同8.7ポイントアップ、新潟県が同8.3ポイントアップと続く。全体では西日本(19府県)での上昇が目立つ。

地区別 老舗企業倒産の構成比トップは中国

 2013年の地区別の老舗企業倒産の構成比は、トップは中国で構成比42.9%(前年39.6%)で、2008年以来、5年ぶりのトップ。次いで、北海道39.8%(同39.0%)、四国38.9%(同45.5%)と続く。老舗企業の構成比が最も低かったのは、関東の28.0%(前年27.3%)だった。
中国(5県)は、都道府県別の老舗企業倒産の構成比が、上位10位内に山口県(2位、構成比57.1%)、岡山県(6位、同45.9%)、鳥取県(9位、同44.7%)の3県が入った。一方、構成比が最も低い関東(9都県)は下位10位に4都県(東京都、神奈川県、埼玉県、茨城県)が入った。

 2013年の老舗企業の負債上位をみると、北海道拓殖銀行の破綻の一因となったカブトデコム(株)(4月特別清算、負債5,061億円)、第三セクターの一般財団法人広島県農林振興センター(6月民事再生、同468億円)や(社)愛知県農林公社(2月民事再生、同227億円)など、長年にわたり多額の負債を抱えたまま再建の見通しが立たないケースが目立つ。安定した財務基盤やブランド力、固定客を構築できていない老舗企業は、業歴の年数だけで生き抜くことは難しい。弾力的な経営と効率的な資金運用など、新興企業の強みを取り入れることも必要だろう。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

ハウスメーカーの倒産、26年上半期9割増の衝撃 ~ 踏み切れない抜本再生、施主の権利保護も重要 ~

コスト高や人手不足などでハウスメーカー(木造建築工事業)の倒産が急増している。2026年上半期(1-6月)は118件発生し、前年同期から約9割増えた。

2

  • TSRデータインサイト

倒産と無縁の税理士業界に異変、2026年上半期は4件発生 粉飾は詐欺罪も、コンプラ違反と健康問題がリスクに

過去、税理士事務所の倒産は半年で、概ね1~2件にとどまっていた。景気状況に相関せず、倒産と無縁の税理士業界だったが、2026年上半期(1-6月)はすでに4件発生した。

3

  • TSRデータインサイト

エブリライブの元従業員、「突然の解雇」に困惑

6月初旬から連絡が取りにくくなっているライブ配信のエブリライブ(株)(東京都港区)が、同時期に大半の従業員を解雇していたことがわかった。  解雇を通知の際、エブリライブ側は従業員に「破産予定のため」と説明したという。解雇された元従業員が東京商工リサーチの取材に応じた。

4

  • TSRデータインサイト

2026年上半期「医療機関」倒産 増勢続く 上半期で2番目の38件、「後継者難」は最多

医療機関の倒産が止まらない。2026年上半期(1-6月)に倒産した病院・クリニック(診療所)・歯科医院などの「医療機関」は、38件(前年同期比15.1%増)と大幅に増加した。上半期では、2006年以降の20年間で、2024年と2025年の33件を上回り、2009年の39件に次ぐ2番目の高水準となった。

5

  • TSRデータインサイト

愛媛県のいよぎんHDと愛媛銀が経営統合へ  メインバンク取引社数 金融Gでは国内21位に

愛媛県内にある企業のメインバンクシェア57.5%(県内メインバンク取引社数1万966社)の伊予銀行を傘下に持ついよぎんホールディングスと、県内2位で18.5%(同3,542社)の愛媛銀行が、7月24日開催の取締役会で経営統合を付議することを発表した。

TOPへ