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四半期ごとの企業動向を分析した最新レポートを公開「TSR経済動向調査(2026年3月調査)」分析レポートをリリース

このたび、株式会社東京商工リサーチ(以下「TSR」)は、2026年3月に実施した「TSR経済動向調査」の最新分析レポートを公開いたしました。

本調査は全国5,652社を対象に、企業活動の現況や今後の見通しを把握するため四半期ごとに実施している定点観測型のアンケート調査です。業種や企業規模、地域差による傾向の違いを可視化することで、経済全体の「兆し」をいち早く捉えることを目的としています。

現在の業況:横ばいで推移、地域間格差は縮小

全体の業況(昨年同期比)は2.97で、前回12月調査から0.01ポイント改善しました。都道府県間の業況格差は前回の1.02から0.77へ縮小し、地域間の経済格差は改善傾向となりました。

地区別では、九州(3.03)が最も良好で、関東(3.02)、北海道(3.01)が続き、主要3地区が3.0を上回りました。一方、中国(2.83)、東北(2.89)は引き続き低水準にとどまっています。

業種別・規模別動向:サービス業が牽引、大企業で改善

業種別の業況(昨年同期比)は、サービス業(3.08)が最も良好で、建設業(3.02)が続きました。卸売業(+0.09)、製造業(+0.04)、サービス業(+0.03)は改善しましたが、小売業およびその他の業種はそれぞれ-0.18と大きく低下しました。

従業員規模別では、1,000人以上の大企業で改善が目立つ一方、50~99人規模では先行きへの警戒感が強まっています。

今後の見通し:全業種・全規模で悪化予測、不透明感が増大

今後3か月の業況見通しは2.83と、前回調査から0.14ポイント低下し、全業種・全規模で3.0を下回る結果となりました。特に「その他」業種では前回比-0.42と大幅な悪化が見込まれており、先行きへの慎重な見方が広がっています。

地区別でもすべてのエリアで減少傾向が見られ、特に北海道では-0.19ポイントと比較的大きな低下が予測されています。

経営課題:人材不足が依然として最大の課題

直面する経営課題は「人材確保・育成」が68.5%で最多となり、前回に続き最重要課題となりました。次いで「売上の増加」(51.0%)、「コスト削減」(31.8%)、「デジタル化・IT化の推進」(26.8%)が続きます。

「その他」では、中東情勢の不安定化や円安の影響による原材料・仕入価格の高騰を懸念する声が多く、コスト上昇圧力の高まりが企業経営に影響を与えています。

業種細分類:専門サービス業が上位、格差は縮小傾向

業種細分類では、「機械設計業」(3.30)、「建築設計業」(3.29)が上位となり、専門性の高いサービス分野が好調でした。一方、「その他の建築材料卸売業」「鉄鋼一次製品卸売業」(ともに2.56)が下位となり、上位との格差は0.74ポイントとなりました。

総括

2026年3月調査では、業況は横ばいで推移しつつも、地域間格差の縮小や一部業種の改善が見られました。一方で、今後3か月の見通しは全体的に悪化が予測されており、先行きの不透明感が強まっています。

特に人材不足やコスト上昇といった構造的課題に加え、中東情勢の緊迫化や円安の進行による原材料・エネルギー価格の高騰など、外部環境の変化が企業活動に与える影響も顕在化しています。 こうした内外の要因が重なるなか、企業にはコスト管理や価格転嫁の適切な判断に加え、リスクを見据えた慎重かつ柔軟な経営対応が引き続き求められます。

調査概要

調査名称 TSR経済動向調査(2026年3月調査)
調査期間 2026年3月23日(月)~3月30日(月)
調査方法 WEBアンケート(TSRメールマガジン会員企業対象)
有効回答数 5,652社

「分析レポート」の詳細はこちら

本レポートは四半期ごとの定点観測調査により、時系列での分析を可能にしています。皆様のご協力が日本経済のリアルタイム把握を可能にし、政策や企業戦略に有効なフィードバックを提供する貴重な基礎資料となります。今後も継続的な調査へのご協力をお願い申し上げます。

また、本調査にご回答いただいた企業様には、詳細な分析結果を自由に可視化できる「限定ダッシュボード」を提供しています。地域別比較や成長予測、属性分析、時系列推移などをグラフで直感的に確認でき、自社の立ち位置把握や市場分析にご活用いただけます。

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