• TSR速報

Xアイコン
facebookアイコン

(株)トーシンホールディングス

トーシンホールディングスの本社

トーシンホールディングスの本社

 (株)トーシンホールディングス(名古屋市中区)は5月8日、東京地裁に会社更生法の適用を申請し同日、開始決定を受けた。申請代理人は粟田口太郎弁護士、四十山千代子弁護士(アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業、千代田区大手町1-1-1、電話03-6864-3061)ほか。同日、調査命令が発令され、永沢徹弁護士(永沢総合法律事務所、中央区日本橋3-3-4)が調査委員に選任された。従前の経営者が引き続き管財人として事業運営を行うDIP型会社更生手続きで、管財人には代表取締役の石田雅文氏と粟田口太郎弁護士が選任された。

 負債総額は159億9100万円。上場企業の倒産は今年初で、(株)オルツ(TSRコード:012883700、法人番号:2010601047081、東京都、2025年7月民事再生、東証グロース)以来、10カ月ぶり。

 建築資材販売などを目的に東新産業(株)の商号で設立。その後、携帯電話の普及を機に、東海地区を中心に携帯電話ショップの運営に乗り出し、業態転換したほか、不動産賃貸、ゴルフ場の運営なども手掛けた。2000年に当時のナスダック市場に上場して業容を拡大させ、2013年4月期には連結売上高276億9596万円を計上。その後、2018年5月に株式分割を実施して持株会社体制に移行し、2022年に上場区分の再編に伴いスタンダード市場へと上場した。

 しかし、近年は携帯ショップの競合激化などから業績が伸び悩んでいた。こうしたなか、2025年2月には事業子会社の不適切会計の発覚に伴い、過年度の有価証券報告書を訂正。また、経理人員が十分ではなく確実な決算事務が遂行できる態勢ではないなどとして、内部統制に問題を抱えていることが表面化した。

 同年10月、開示内容に虚偽があるとして東京証券取引所から改善報告書の提出を求められた。さらに11月には元代表の倫理観・誠実性の欠如などでガバナンス機能不全に陥り、長期間の複数の不適切会計が行われたと指摘され、東京証券取引所より特別注意銘柄の指定を受けるなど混乱が相次いだ。

 このため、調査委員会を立ち上げ、改善報告書の提出などで信頼回復を目指すとともに2026年4月、元代表に対し私的流用や退職慰労金の不適正処理などによる損害賠償10億円超を請求したことを公表していた。業績低迷や経営をめぐるトラブルなどで信用が低下するなか、元代表の影響力を減らすことなどを通じて経営を安定させる目的で、会社更生法の適用による再建を目指すこととなった。

 上場廃止の可能性が残るが、管財人体制の下で内部管理体制の改善を進め、上場維持を目指す意向だ。
 商取引債権はカットせず、従前の約定通り支払う方針。また、三井住友銀行よりDIPファイナンス枠の設定を受けている。

 会社更生法の適用申請はトーシンホールディングスのみで、子会社は申請を予定していない。

※(株)トーシンホールディングス(TSRコード:400797887、法人番号:3180001020233、名古屋市中区栄町3-4-21、設立1988(昭和63)年4月、資本金7億4209万9959円)

Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

「モームリ」前社長らに有罪判決、退職代行サービスは転機に

 8月28日、東京地裁は報酬目的で業務を弁護士に紹介した容疑などに問われていた退職代行サービス「モームリ」運営の(株)アルバトロス(TSRコード:694377686、横浜市、以下モームリ)の法人と前社長の谷本慎二被告らに有罪判決を言い渡した。

2

  • TSRデータインサイト

「マッサージ業界」の倒産増加 ~ 1-7月は過去最多、低価格台頭と施術者確保 ~

2026年1-7月の「マッサージ業」(接骨院・鍼灸院を含む)倒産が68件(前年同期比7.9%増)に達し、同期間では過去15年間で最多を更新した。

3

  • TSRデータインサイト

失業なき労働力移動の行方 ~窮境状態にある業種と「人手不足倒産」発生率の相関~

経営資源の配分は、各企業がその時々の最適を探っている。赤字法人率が6割を超え(※1)、人手不足に陥る企業も少なくない。今回は4つの経営資源のうち、「ヒト」「カネ」に注目し、業績が窮境状態に置かれ、かつ人手不足にも悩まされる業種に迫った。

4

  • TSRデータインサイト

芸能事務所に異変、倒産が相次ぐ

メディアの多様化で芸能事務所(プロダクション)が転換期を迎えている。2025年(1-12月)は倒産が26件発生し、2014年以降で過去最多だった。2026年も7月までに12件発生し、倒産が相次いでいる。

5

  • TSRデータインサイト

「焼肉店」の倒産が高止まり、「ヤキニクの日」食べる支援も一案

換気能力の高さから、コロナ禍で脚光を浴びた「焼肉店」が淘汰の波に揉まれている。2026年1-8月(20日まで)の「焼肉店」倒産は29件に達した。年間最多(59件)を記録した前年同期の35件に次ぎ、2009年以降、2024年同期と並ぶ2番目の高水準だ。

TOPへ