• TSRデータインサイト

みんなで大家さん、分配金の支払いが遅延

 7月31日、不動産投資商品を販売するみんなで大家さん販売(株)(TSRコード:571226140)は、不動産投資商品「みんなで大家さん成田1号~18号(全18商品)」について、7月末の利益分配(分配金)が遅れると投資家に通知した。グループの共生バンク(株)(TSRコード:297979779)の担当者は31日、東京商工リサーチの取材に対して「グループの合同会社からの賃料が遅れたため、分配金の支払が遅延する。資金を調達し、1日も早く遅延分の支払いに向けて努力する」とコメントした。その上で、「行政処分によるレピュテーションで計画通りに進んでいないが、600億円の(価値があるとされる)不動産を売却して資金調達する」としている。

 分配遅延となる投資商品は、成田空港に隣接する商業施設「GATEWAY NARITA」を投資対象としており、約3万8,000人から2,000億円程度の出資を得ているとみられる。

 みんなで大家さん販売とグループ会社の都市綜研インベストファンド(株)(TSRコード: 571528147)は2024年6月に東京都や大阪府から行政処分を受け、解約が相次いでいた。

 都市綜研インベストファンドは、「GATEWAY NARITA」などへの投資が膨らみ、2025年3月期の負債総額は出資金の約2,000億円を含めて3,098億円に達している。資産合計は3,204億円。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2024年度「人手不足倒産予備軍」  ~ 今後は「人材採用力」の強化が事業継続のカギ ~

賃上げ圧力も増すなか他社との待遇格差で十分な人材確保ができなかった企業、価格転嫁が賃上げに追い付かず、資金繰りが限界に達した企業が事業断念に追い込まれている。  こうした状況下で「人手不足」で倒産リスクが高まった企業を東京商工リサーチと日本経済新聞が共同で分析した。

2

  • TSRデータインサイト

2025年1-11月の「人手不足」倒産 359件 サービス業他を主体に、年間400件に迫る

深刻さを増す人手不足が、倒産のトリガーになりつつある。2025年11月の「人手不足」倒産は34件(前年同月比70.0%増)と大幅に上昇、6カ月連続で前年同月を上回った。1-11月累計は359件(前年同期比34.4%増)と過去最多を更新し、400件も視野に入ってきた。

3

  • TSRデータインサイト

【社長が事業をやめる時】 ~消えるクリーニング店、コスト高で途絶えた白い蒸気~

厚生労働省によると、全国のクリーニング店は2023年度で7万670店、2004年度以降の20年間で5割以上減少した。 この現実を突きつけられるようなクリーニング店の倒産を聞きつけ、現地へ向かった。

4

  • TSRデータインサイト

2025年1-11月の「税金滞納」倒産は147件 資本金1千万円未満の小・零細企業が約6割

2025年11月の「税金(社会保険料を含む)滞納」倒産は10件(前年同月比9.0%減)で、3カ月連続で前年同月を下回った。1-11月累計は147件(前年同期比11.9%減)で、この10年間では2024年の167件に次ぐ2番目の高水準で推移している。

5

  • TSRデータインサイト

地場スーパー倒産 前年同期の1.5倍に大幅増 地域密着型も値上げやコスト上昇に勝てず

2025年1-11月の「地場スーパー」の倒産が22件(前年同期比46.6%増)と、前年同期の約1.5倍で、すでに前年の年間件数(18件)を超えた。

TOPへ