こうして倒産した

2016年(平成28年)7月度こうして倒産した・・・
公益財団法人山梨県林業公社
  • 山梨
  • 森林整備、分収造林事業
負債総額
261億2000万円
 

 公益財団法人山梨県林業公社(TSR企業コード:340246626、法人番号:7090005000105、甲府市武田1-2-5、設立昭和40年9月、代表理事:荒井洋幸氏、従業員8名)は7月15日、甲府地裁に民事再生法の適用を申請した。申請代理人は野間自子弁護士ほか2名(三宅坂総合法律事務所、東京都千代田区内幸町2-1-4、電話番号03-3500-2912)。負債総額は債権者15名に対して約261億2000万円。
 個人では森林整備が困難な土地所有者に代わり、人工林の造成や整備を行うほか、山村地域における就労の場も提供してきた。設立当初は国産木材価格が上昇傾向にあったため、採算も十分に確保でき、伐採が始まれば木材の販売収益により借入金の返済は可能とみられていた。
 しかし、昭和55年以降は国産木材価格が低下する一方、労働単価の上昇等により経費が増大し、販売収益では借入金を返済する見通しが立たなくなっていた。
 また、分収林(森林所有者、費用負担者などが収益を分け合う森林)の資産価格が帳簿価格を大幅に下回る見通しとなっていた。
 このため、出資者の山梨県は森林整備の方向性と分収割合を見直し、平成29年3月をめどとした「財団法人山梨県林業公社改革プラン」を23年12月に策定した。これに伴い公社は「財団法人山梨県林業公社改革推進計画」を策定し、24年度から山梨県と連携して、地権者に対して変更契約の締結などの交渉を進めていた。
 28年3月期には経常収益5億4594万円を計上したが、同年6月に「損失補償債務等に係る一般会計等負担見込額の算定に関する基準」(総務省)に基づく手法により評価し直したところ、大幅な債務超過にあることが判明した。
 改革プランに基づき公社の廃止、債務処理についての透明性や公平性の確保、県民負担の軽減、分収林事業の確実な県への継承などを図るために、第三セクター等改革推進債を活用した民事再生手続による再生を選択した。

埼玉県厚生農業(協組連)
  • 埼玉
  • 総合病院経営
負債総額
64億6800万円
 

 埼玉県厚生農業(協組連)(TSR企業コード:310147328、法人番号:1030005013002、熊谷市末広1-62、設立昭和23年10月、出資総額18億4230万円、代表清算人:五月女直樹氏)は7月22日、東京地裁に破産を申請した。破産管財人には永沢徹弁護士(永沢総合法律事務所、東京都中央区日本橋3-3-4、電話03-3273-1800)が選任された。負債総額は約64億6800万円。
 昭和9年12月に2町11村による広域医療組合病院として埼玉県幸手市で発足。その後、23年10月に埼玉県内の農協などから出資を得て設立された。熊谷総合病院(埼玉県熊谷市)および久喜総合病院(埼玉県久喜市)を運営してきたが、最近は業績低迷に陥っていた。さらに、過去に行った病院新築などの設備負担などが重くのしかかり、医師の確保も難しくなり再建の見通しが立たない状況となっていた。このため、それぞれの病院を売却し、平成28年6月30日総会の決議により解散し、今回の措置となった。なお、両病院はそれぞれ別法人のもとで経営を続けている。

(株)シンエイ
  • 東京
  • 婦人靴卸
負債総額
63億400万円
 

 (株)シンエイ(TSR企業コード:290081955、法人番号:5010501006498、台東区寿3-19-8、設立昭和24年2月、資本金8800万円、大野裕次郎社長)は7月28日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。監督委員には上田智司弁護士(上田法律事務所、千代田区九段北4-1-5、電話03-3222-0776)が選任された。負債総額は約63億400万円。
 昭和14年創業の国内大手の婦人靴卸売会社で、長年の業歴を重ねて全国の百貨店、婦人靴専門店などに営業基盤を築いていた。自社ブランド「RIZ」「Marie」を抱えるほか、「ANNA SUI」「NATURAL BEAUTY」などのライセンスブランド、海外のインポートブランドなど中価格帯の婦人靴を専門に取り扱い、豊富な品揃いと実績で婦人靴業界では高い知名度を有していた。
 ピーク時の平成5年1月期には売上高約292億9100万円をあげていたが、バブル崩壊以降は市況低迷や消費不振など主力の百貨店の苦戦に伴い売上も減少をたどり、20年1月期の売上高は約197億円と売上高200億円を割り込んだ。
 最近は、オンライン販売などにも注力していたが、デフレや安価な海外メーカーの参入による低価格化で売上減少に歯止めがかからず、28年1月期は売上高約101億円にまで低下し2期連続で大幅赤字を計上した。29年1月期に入っても業況は好転せず、7月末の借入金の返済のめどが立たないことから今回の措置となった。

寺島整理(株)
  • 静岡
  • プラスチック成型加工
負債総額
34億6000万円
 

 寺島整理(株)(旧:(株)伸東工業、TSR企業コード:450222519、法人番号:3080401010265、浜松市浜北区寺島905、設立昭和47年11月、資本金1000万円、代表清算人:中安富子氏)は7月6日、東京地裁より特別清算開始決定を受けた。申請代理人は松村健太郎弁護士(ときわ法律事務所、千代田区大手町1-8-1、電話03-3271-5140)。負債総額は約34億6000万円(平成27年8月期決算時点)。
 昭和44年創業のプラスチック成型加工会社。地元の大手二輪製造業者に販路を築き、ピーク時の平成20年8月期には売上高約37億5000万円を計上していた。しかし、リーマン・ショック以降は市況低迷から売上が急減して採算も悪化した。また、海外子会社の業績も低迷し、過去の設備投資に伴う借入金の返済負担が重荷となっていた。
 27年11月10日、(株)地域経済活性化支援機構による再生支援が決定し、安福ゴム工業(株)(TSR企業コード:662289021、法人番号:2140001038164、神戸市西区)がスポンサーとなった。28年2月、会社分割により浜北準備(株)(現:(株)伸東工業、TSR企業コード:016180232、法人番号:4080401021138、設立平成27年10月、浜松市浜北区)に事業を譲渡し、当社は(株)伸東工業から現商号に変更。5月31日、東京都千代田区に登記上本社を移転するとともに株主総会の決議により解散し、今回の措置となった。

新興製靴工業(株)
  • 東京
  • 婦人靴製造
負債総額
21億6700万円
 

 新興製靴工業(株)(TSR企業コード:290077540、法人番号:7010601012238、墨田区墨田4-58-3、設立昭和21年2月、資本金2600万円、大野拡史社長)は7月29日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。監督委員には上田智司弁護士(上田法律事務所、同区九段北4-1-5、電話03-3222-0776)が選任された。負債は約21億6700万円。
 昭和14年創業の老舗婦人靴メーカー。戦中の休眠を経て21年2月に法人化された。パンプス、ハイヒール、ブーツなどの婦人靴を中心に革靴の製造を一貫して手掛け、大手靴卸業者を中心に営業基盤を確立。ピーク時の平成9年12月期は売上高約49億1300万円をあげていた。
 しかし、国内市場の縮小などから最近は売上高の落ち込みに歯止めがかからず、27年12月期は売上高約24億8400万円まで減少、2期連続で赤字を計上していた。このため保有不動産の売却などリストラに注力していたが、売上の約4割を占めていたシンエイが28年7月28日、東京地裁に民事再生法の適用を申請したことで、同社からの売掛金回収のめどが立たなくなり今回の措置となった。

戦後歴代の大型倒産

日本の戦後歴代の大型倒産を
負債額順にまとめた記事はこちら

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

不動産業から見た全国の「活気のある街」 活性度トップは東京都中央区、福岡など地方都市も健闘

東京商工リサーチが保有する企業データベースや行政の発表する統計資料から6つの項目に基づいて、エリア別の不動産業「活性度ポイント」を算出した。その結果、再び都心回帰の動きが出てきた一方で、地方の穴場でも活性化に向かう地域があることがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

2025年 全国160万5,166社の“メインバンク“調査

全国160万5,166社の“メインバンク”は、三菱UFJ銀行(12万7,264社)が13年連続トップだった。2位は三井住友銀行(10万1,697社)、3位はみずほ銀行(8万840社)で、メガバンク3行が上位を占めた。

3

  • TSRデータインサイト

ミュゼ破産で浮き彫り、勝者なき脱毛サロンの消耗戦 ~ 整備されぬ「利用者・従業員保護の枠組み」 ~

脱毛サロン最大手の「ミュゼプラチナム」を運営していたMPH(株)が8月18日、東京地裁から破産開始決定を受けた。MPHの破産は負債総額約260億円、被害者(契約者)は120万人を超え、社会問題化している。

4

  • TSRデータインサイト

破産開始決定のMPH、「抗告など対抗せず」

8月18日に東京地裁より破産開始決定を受けたMPH(株)(TSRコード:036547190)の幹部は20日、東京商工リサーチの取材に応じ、「破産開始決定に対しての抗告などはしない予定」とコメントした。

5

  • TSRデータインサイト

『生成AI』 活用は企業の25%にとどまる  「業務効率化」が9割超、専門人材不足がネック

幅広いビジネスシーンで注目される生成AIだが、その活用を推進している企業は25.2%(6,645社中、1,679社)にとどまることがわかった。

TOPへ