• TSRデータインサイト

Xアイコン
facebookアイコン

「鉄道・軌道工事業」158社、業歴50年以上が37.3% ~ 欠かせないノウハウ、鉄道会社と資本・人的関係強く ~

 列車運行を支える保守・メンテナンスは、「安全」に直結する。こうした業務を手掛ける企業は、業歴50年以上が約4割(37.3%)を占めることがわかった。ノウハウの蓄積が必要なことなどが背景にあるとみられる。
 一方、従業員数は100人超が8.8%にとどまり、幅広い業務を円滑に遂行するには協力会社との密接な関係が必要だ。
 東京商工リサーチ(TSR)は、「鉄道・軌道工事業」(以下、鉄・軌道工事会社)の2025年度決算(2025年4月~2026年3月期)を最新期とし、5期連続で業績が判明した「鉄道工事」と「軌道工事」に関わる158社を抽出し、分析した。


業歴と資本、人的関係

 鉄道会社と鉄・軌道工事会社の関係は深い。列車の運行には鉄道設備の保守・メンテナンスが欠かせず、人事交流も含めて綿密なコミュニケーションが図られている。
 TSRの企業データベースから抽出した鉄・軌道工事会社の売上上位10社の代表者のうち、6社が大手鉄道会社の出身で、資本も入っている。
 鉄・軌道工事会社の成り立ちも古い。158社のうち、「10年以上50年未満」が97社(構成比61.3%)で最も多かった。次いで、「50年以上100年未満」52社(同32.9%)、「100年以上」7社(同4.4%)、「5年以上10年未満」2社(同1.2%)と続く。「5年未満」はゼロだった。
 業歴「10年未満」はわずか1.2%で、長年蓄積された実績に裏打ちされた経験が企業に求められているようだ。

膨大な「縁の下の力仕事」

 鉄・軌道工事会社がカバーする保守・メンテナンスの範囲は、レールや枕木の交換、信号装置の点検など多岐にわたる。
 また、線路内での作業は主に夜間に行われる「線路閉鎖」や、一時的に列車を止める「抑止」を行わない限り、列車の進来がない「間合い」で行われる。列車本数が多い箇所では、何度も作業と待避を繰り返しながら進められる。
 幅広い業務を限られた時間で担うには人海戦術も必要だが、158社の従業員は、「10人以上50人未満」が99社(構成比62.6%)で最も多かった。
 次いで、「50人以上100人未満」18社(同11.3%)、「5人以上10人未満」15社(同9.4%)、「100人以上」14社(同8.8%)、「5人未満」12社(同7.5%)で、1社あたりの従業員数は多くないこともわかった。

鉄道・軌道工事業 業歴・従業員数別


(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2026年8月31日号掲載予定「WeeklyTopics」を再編集)

Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

賃金上昇、従業員退職による倒産が過去最多 8月の「人手不足」倒産 8月では最多の32件

2026年8月の「人手不足」倒産は、32件(前年同月比39.1%増)だった。8月としては、前年の23件を大幅に上回り、最多を更新した。1-8月は333件(前年同期比38.7%増)で、年間最多ペースが続く。

2

  • TSRデータインサイト

出版業の倒産急増、利益も悪化傾向 ~ 存続に向けた書店との直取引、目指す姿と課題 ~

電子書籍が普及するなか、紙の書籍を主体に手掛ける老舗出版社を中心に、「出版業」の倒産(負債1,000万円以上)が急増している。 2026年1-7月の「出版業」の倒産は21件(前年同期比90.9%増)で、2019年同期の21件以来7年ぶりに20件を超えた。

3

  • TSRデータインサイト

「フィットネスクラブ」の倒産が過去最多を更新へ 1-8月は26件、市場拡大もレッドオーシャンの兆し

拡大するフィットネス市場で、「フィットネスクラブ」の倒産が急増している。2026年1-8月は26件(前年同期比160.0%増)と前年同期の2.6倍に達し、2023年同期の16件を抜いて過去最多を更新した。 現在のペースで推移すると、2026年は年間最多の2023年の27件を上回り、40件台も視野に入ってきた。

4

  • TSRデータインサイト

泥臭い再生支援と粉飾決算、銀行員の「違和感」~ 「実務家座談会」を開催(後編)~

(後編)事業再生に携わる金融機関は企業にどう向き合うのか。東京商工リサーチ(TSR)は、事業再生に携わる金融機関の担当者に、取り組みの現状や事例、特色、留意点などを聞いた。

5

  • TSRデータインサイト

「半導体関連メーカー」生成AI普及で業績好調 売上トップはキオクシア、TSMC日本子会社は売上高約143倍

生成AIの普及やデータセンター向け需要拡大で、国内の主要半導体関連メーカーの業績が好調だ。東京商工リサーチ(TSR)の企業データベース(約440万社)から、全国の主な半導体関連メーカー154社の2025年度業績を分析した。

TOPへ