• TSRデータインサイト

Xアイコン
facebookアイコン

2026年上半期「農業」倒産 30年で最多の51件 小規模法人・個人が約8割占める、倒産はすべて消滅型

~ 2026年上半期(1-6月)「農業」倒産動向 ~


 2026年上半期(1-6月)の「農業」倒産は、51件(前年同期比8.5%増)だった。上半期では2021年(20件)から5年連続で増勢をたどり、1997年以降の30年間で初めて50件を超えた。
 負債総額は、142億600万円(同137.5%増)で、上半期では2011年の149億2,500万円に次ぐ、2番目の高水準だった。負債10億円以上が4件(前年同期1件)、1億円以上が22件(同15件)発生し、前年同期の2.3倍に膨らんだ。
 2022年以降の円安に加え、2026年2月の米国とイスラエルによるイラン攻撃で、原油価格の上昇やナフサなどの供給が滞り、資材や飼料価格も上昇している。このため、小規模法人ほど、コストアップが資金繰りに重く圧し掛かっている。一方、消費者向け商材は価格転嫁も難しく、農業倒産は今後も増勢が続く可能性が高い。

 「農業」倒産の業種別は、最多が「野菜作農業」の22件(前年同期比10.0%増)。次いで、「養豚業」(同500.0%増)と「園芸サービス業」(同100.0%増)が各6件で続く。
 形態別は、破産が46件(同15.0%増)で90.1%を占めた。この他、特別清算が5件(同66.6%増)発生し、すべて消滅型だった。資本金別は、1千万円未満(個人企業を含む)が前年同期と同数の42件だったが、1千万円以上が9件(同80.0%増)発生し、中堅以上の法人倒産が散発した。
 スマート農業技術の広がりで、農業に参入する法人も増えている。だが、農業分野は物価高や担い手不足などの課題が山積している。
※本調査は、 2026年上半期(1-6月)「全国企業倒産」(負債1,000万円以上)から、日本産業分類の「農業」(「耕種農業」「畜産農業」「農業サービス業」「園芸サービス業」)を抽出し、分析した。

農業の倒産 上半期推移

Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

「鳶工事業」が苦境、倒産が過去最多ペース ~ 16年ぶり100件超、職人不足とコスト対応がネック ~

「建設現場の花形」と言われる鳶職人の世界に逆風が吹く。足場から鉄骨、支柱工事など建設現場で欠かせないが、倒産が過去最多ペースだ。有効求人倍率は7.94倍と深刻な人材難の鳶業界にあって採用難と高い技能、経験が若者の育成に足かせになっている。鳶工事業の倒産を分析した

2

  • TSRデータインサイト

翻訳業が苦境、利益は3年で7割減 ~ AIと競合で破産したケースも ~

AIが翻訳業界にドラスティックな変化を迫っている。日進月歩で精度が向上するなか、言語間の壁が低くなっている。この余波が翻訳業界に広がり、業績は3期連続で減収減益に追い込まれた。

3

  • TSRデータインサイト

米穀卸、令和のコメ騒動で25年度の業績急伸 ~ 26年度はコメ価格下落で暗転へ ~

コメ価格の急騰や品不足で市場が混乱した「令和のコメ騒動」が過ぎ去った。コメを供給してきた米穀(米麦)卸売業は4期前と比べて売上高が約2倍、利益(最終利益)は4.5倍と、業績が急拡大したことが東京商工リサーチ(TSR)の調査でわかった。

4

  • TSRデータインサイト

「お弁当屋さん」の倒産、2年連続で過去最多へ ~ コメ価格下落と消費税引き下げもコスト高 ~

「お弁当屋さん」の倒産が急増している。2026年は8月までに83件に達し、これまで最多の2025年(1-12月)の89件超えが確実だ。コメ価格下落の兆しがみえ、食品の消費税率引き下げも控える。だが、肉や野菜などの食材や包装資材、電気・ガス料金の値上がり幅は大きく、経営の重しとなっている

5

  • TSRデータインサイト

2025年度の書店の利益、前年度の4.6倍に拡大 黒字企業が7割も、「増収増益」は13.4%

「本離れ」が言われて久しいが、書店経営が回復に転じた。全国の主な書店304社の2025年度の売上高合計は、6,121億4,000万円(前年度比1.6%増)、利益合計は40億2,600万円(同365.4%増)で、売上高は微増だったが、利益は前年度の4.6倍に急回復した。

TOPへ