• TSRデータインサイト

Xアイコン
facebookアイコン

2026年4月「人手不足」倒産 33件発生 春闘の季節で唯一、「人件費高騰」が増加

~ 2026年4月の「人手不足」関連倒産動向 ~


 2026年4月の「人手不足」倒産は33件(前年同月比8.3%減)で、3カ月ぶりに前年同月を下回った。4月の減少は2022年以来、4年ぶり。
 春闘で賃上げが進むなか、要因別では「人件費高騰」が15件(同25.0%増)発生。4月の最多を更新。
 新たな人材確保や従業員の引き留めに賃上げが求められるなか、物価上昇が加速し、収益を圧迫している。収益確保が難しい企業では、背伸びした賃上げが資金繰り悪化に直結する苦境を示している。

 2026年4月の「人手不足」倒産は、資本金別では1千万円未満が26件(前年同月比13.0%増、構成比78.7%)と、4年連続で増加した。原材料からエネルギーまで、あらゆる値上げが企業の資金繰りに負担になっている。なかでも、価格交渉力の弱い小規模の企業ほど価格転嫁が遅れ、賃上げ原資の確保も難しい。さらに、中東情勢も加わり、品薄、物価高に見舞われ、企業は収益確保への取り組みが重要になっている。
※本調査は、2026年4月の全国企業倒産(負債1,000万円以上)のうち、「人手不足」関連倒産(求人難・従業員退職・人件費高騰)を抽出し、分析した。(注・後継者難は対象から除く)

「人手不足」関連倒産推移

Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

「鳶工事業」が苦境、倒産が過去最多ペース ~ 16年ぶり100件超、職人不足とコスト対応がネック ~

「建設現場の花形」と言われる鳶職人の世界に逆風が吹く。足場から鉄骨、支柱工事など建設現場で欠かせないが、倒産が過去最多ペースだ。有効求人倍率は7.94倍と深刻な人材難の鳶業界にあって採用難と高い技能、経験が若者の育成に足かせになっている。鳶工事業の倒産を分析した

2

  • TSRデータインサイト

翻訳業が苦境、利益は3年で7割減 ~ AIと競合で破産したケースも ~

AIが翻訳業界にドラスティックな変化を迫っている。日進月歩で精度が向上するなか、言語間の壁が低くなっている。この余波が翻訳業界に広がり、業績は3期連続で減収減益に追い込まれた。

3

  • TSRデータインサイト

米穀卸、令和のコメ騒動で25年度の業績急伸 ~ 26年度はコメ価格下落で暗転へ ~

コメ価格の急騰や品不足で市場が混乱した「令和のコメ騒動」が過ぎ去った。コメを供給してきた米穀(米麦)卸売業は4期前と比べて売上高が約2倍、利益(最終利益)は4.5倍と、業績が急拡大したことが東京商工リサーチ(TSR)の調査でわかった。

4

  • TSRデータインサイト

「お弁当屋さん」の倒産、2年連続で過去最多へ ~ コメ価格下落と消費税引き下げもコスト高 ~

「お弁当屋さん」の倒産が急増している。2026年は8月までに83件に達し、これまで最多の2025年(1-12月)の89件超えが確実だ。コメ価格下落の兆しがみえ、食品の消費税率引き下げも控える。だが、肉や野菜などの食材や包装資材、電気・ガス料金の値上がり幅は大きく、経営の重しとなっている

5

  • TSRデータインサイト

2025年度の書店の利益、前年度の4.6倍に拡大 黒字企業が7割も、「増収増益」は13.4%

「本離れ」が言われて久しいが、書店経営が回復に転じた。全国の主な書店304社の2025年度の売上高合計は、6,121億4,000万円(前年度比1.6%増)、利益合計は40億2,600万円(同365.4%増)で、売上高は微増だったが、利益は前年度の4.6倍に急回復した。

TOPへ