• TSRデータインサイト

2025年度の「ゼロゼロ融資」利用後倒産410件 2年連続で前年度を下回る、累計2,311件に

~ 2025年度「ゼロゼロ融資」利用後の倒産状況 ~


 2025年度のコロナ関連支援策の「ゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)」を利用した企業の倒産は、 410件(前年度比22.7%減)で、2年連続で前年度を下回った。
 2025年度は9月(44件)と12月(37件)を除く、10カ月で前年同月を下回った。なお、島根、愛媛、長崎、宮崎の4県は、ゼロゼロ融資利用後の倒産がゼロだった。2020年7月からの累計は2,311件に達した。

 資本金別は、個人企業を含む資本金1千万円未満が262件(前年度比14.9%減、構成比63.9%)。負債額別は、1億円未満が233件(同16.7%減、同56.8%)で、小・零細企業を中心に推移した。また、業種別では、「飲食店」が60件で最多だった。コロナ禍に客足が激減し、その後は食材やガス・水道などの光熱費、人件費の上昇が収益を圧迫し、先行きの見通しが立たず破産を選択するケースが多かった。
 コロナ禍の支援策で借入金に依存した経営から抜け出せず、収益改善が遅れる中小企業では、返済負担が重くのしかかっている。借入金の返済も、返済原資が捻出できずリスケ(返済猶予)を続けている企業も少なくない。
 2026年4月から9月にかけ、コロナ借換保証の返済開始が最後のピークを迎えるが、業績回復が遅れた企業を中心に、ゼロゼロ融資利用後の倒産が再び増勢に転じる可能性も出ている。
 2026年4月1日、各都道府県のよろず支援拠点内に「生産性向上支援センター」が設置され、業務効率化やデジタル化、人材育成などを通じて企業の付加価値向上を後押しする。だが、事業構造の見直しや収益強化に取り組む企業ばかりでなく、支援軸をどこに置くかを含め、金融機関や公的支援による伴走支援のあり方が問われてくるだろう。
※本調査は、企業倒産(負債1,000万円以上)のうち、「ゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)」を受けていた企業の倒産 (法的・私的)を集計、分析した。

ゼロゼロ融資利用後倒産 月次推移

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

破産の全東信、20年前から粉飾決算か=600億円超の債務超過のおそれ

決済代行を手掛けていた(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪市中央区)の破産劇の裏側がわかってきた。東京商工リサーチ(TSR)の取材で、業績悪化を隠すために、多額の預金の架空計上に手を染めていた実態がみえてきた。

2

  • TSRデータインサイト

全東信の破産、焦付不可避と機会損失 ~外食団体、「セーフティネット保証1号」適用を要請~

クレジットカード決済代行を手掛けていた(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪市中央区)の破産の余波が広がっている。7月6日に負債1,259億円(2025年3月期決算時点)を抱え、大阪地裁から破産開始決定を受けて以降、取引金融機関が取り立て不能等を次々と開示している。

3

  • TSRデータインサイト

全東信の粉飾、資本と営業権と不動産から読み解く

大手決済代行の(株)全東信の粉飾は見抜けたのか。破産したいま、過去の決算書を基に違和感を指摘するのは難しくない。預金残高の水増しや債権の架空計上など、全東信はありきたりの手口に手を染めていた。

4

  • TSRデータインサイト

準自己破産の全東信、近畿産業信組が219億円貸出

大手決済代行の(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪府)の資金調達先が東京商工リサーチ(TSR)の取材で判明した。

5

  • TSRデータインサイト

止まらない建設業の倒産、職別工事が総合工事を抜く ~ 施工力が「希少資源」、動き始めた内製化 ~

2025年の建設業の倒産は、2,014件(前年比4.6%増)で、4年連続で前年を上回り、2013年(2,421件)以来、12年ぶりに2,000件を超えた。 コロナ禍の2021年に1,065件と2000年以降では最少を記録。その後は増勢に転じ、わずか4年で約2倍に増加した。

TOPへ