家事代行の倒産が過去最多 ~ 老舗・大手がひしめくなか、参入も急増 ~
共働きや独身世帯の増加で、掃除や料理、洗濯、ベビーシッターなど、家事代行(家事サービス)のニーズは高い。子育てだけでなく介護も加わり、市場は広がる。
一方、家事代行業者の倒産が急増している。2025年度は4-2月で11件に達し、すでに過去最多を更新した。
政府は、新設を目指す国家資格化、税制支援などで子育て世代や介護世帯の負担軽減への対応策を進めていく意向だ。
家事代行の倒産(負債1,000万円以上)は、2006年度に6件を数え、それ以降は小康を保った。かつて家事代行は住み込み家政婦が中心で、市場規模が小さく、参入企業も少なかった。
だが、2011年に始まったドラマが人気を博し、市場が再認識された。「一億総活躍」の流れもあり、ニーズは拡大。ただ、コロナ禍は密閉、密集、密接の「3密」回避で仕事が激減し、倒産も2022年度と2024年度は1991年度に集計を開始以来、最多の7件が発生した。
市場拡大に伴い、競争も激化している。2025年度は2月までに倒産は11件に達した。11件の原因はすべて販売不振だ。11件すべてが資本金500万円未満(個人企業含む)で、小・零細規模の脱落が相次いでいる。

熾烈な競争
家事代行は労働集約産業だが、効率追及との余地はある。IT活用による予約と管理などで経営の効率化を図ることもできる。ダスキン「メリーメイド」やベアーズ、CaSyのほか、東急「東急ベル」、三菱電機「家事代行」など、老舗も大手も入り乱れる。
こうしたなか新設法人数は、2013年の31件から2021年は68件に倍増。2024年は133件と初めて100件を超え、増え続けている。
政府の支援策
政府は、家事支援サービスの「家政士団体検定を含む制度の周知徹底」や国家資格の検討など、信頼性や品質向上に取り組んでいる。さらに、国家資格保有者など質の高いサービス確保のため、税制措置を含む支援策も検討している。質の高さで心理的な抵抗感の払しょくを狙っている。
政府方針は2026年夏までにまとまる見通しだ。介護離職の防止や家事負担の軽減で、働き方の柔軟化も期待できる。とはいえ、倒産が急増している現実もある。業界で信頼と利用者保護への取り組みが急務になっている。
(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2026年3月19日号掲載「取材の周辺」を再編集)