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美容業の倒産、過去20年で最多 ~ 問われる経営効率化と対応力 ~

 新年を新たな気持ちで迎えようと美容室に足を運んだ人も多いのではないだろうか。だが一方で、2025年の美容業(美容室含む)の倒産は120件(前年比5.2%増)で、過去20年間で最多を記録した。
 美容業界の現場で何が起きているか、東京商工リサーチが分析、取材した。


美容業、倒産の内訳

 2025年美容業の倒産(120件)を原因別でみると、販売不振が100件(前年比3.8%減)で最多。全体の8割(構成比83.3%)を占めた。形態別では、破産が111件(前年比8.8%増、構成比92.5%)と大半を占め、再建の難しさがうかがえる。
 規模別では、負債1億円未満が109件(前年比0.9%減、構成比90.8%)、資本金1千万円未満が111件(同3.7%増、同92.5%)といずれも9割を超え、美容室の倒産は過小資本の小・零細規模を中心に推移している。

コロナ禍で来店サイクルに変化

 業界の関係者は、「人件費だけでなく、水道・光熱費、シャンプーなどの備品も軒並み上昇し、経営を圧迫している。業界は過当競争で、既存店は容易に値上げできない状態だ」と語る。また、「顧客を確保するため、SNSなどで広告効果を狙う美容室もある。だが、コロナ禍で顧客の来店サイクルが長くなり、売上を直撃している」と、苦境の背景を語る。
 美容師不足も深刻だが、常に人手が不足しているわけではない。主婦層が主力の美容室は、昼間に来店が集中し、昼間勤務の会社員を対象にする美容室は夕方以降に集中するなど、混雑する時間帯は客層により異なる。
 このため、ある経営者は「混雑時間帯に合わせ、スポットで美容師を確保するニーズが強い」と語る。とはいえ、美容師の確保には、高騰が続く人件費が重荷になっていることに変わりはない。



 厚生労働省が10月21日公表の「令和6年度衛生行政報告例」によると、2024年度末の美容所数は27万7,752施設で、2023年度末の27万4,070施設から3,682施設(1.3%増)増えた。同業者の乱立で競争は厳しさを増す一方で、美容室の維持コストは膨れ上がる一方だ。
 美容業界は、予約管理などのデジタル化、SNS活用による集客化など、DXと効率化が求められ、価格の二極化も加速している。
 コロナ禍後の市場回復の中で、参入と淘汰の時代をどう乗り越えるか。美の創造と経営センスが重要なメルクマールになるだろう。

「美容業」倒産 件数推移


(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2026年1月26日号掲載「取材の周辺」を再編集)

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