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2026年予測 自社業界の倒産が「増える」55.3% 「増収」見通しは減少、4社に1社が「過剰債務」を訴える

~ 「倒産・業績予想」、「過剰債務」アンケート調査 ~


 2026年に自社業界の倒産が「増える」と予測する企業は55.3%だった。前年の同時期に実施した2025年の倒産見通しで「増加予測」は63.0%だったが、1年間で7.7ポイント低下した。
 2025年1-11月の企業倒産は9,372件(前年同期比2.2%増)で、2年連続で1万件を超えることが確実となった。一方、インバウンド需要が好調で、倒産の増加ペースは2024年よりも緩やかになっており、政府の大型経済対策の効果も注目される。こうした点が倒産の増加予測を押し下げたとみられる。
 
 東京商工リサーチ(TSR)は、12月1日~8日にアンケート調査を実施し、2026年の自社業界の倒産見通しや自社の業績予想、債務の状況を聞いた。
 2026年の業績予想は「増収」が36.6%で、前年同時期(2025年業績予測)の40.9%より4.3ポイント悪化した。「増益」も27.0%にとどまり、前年同期28.6%より1.6ポイント落ち込んだ。
 コロナ禍で顕在化した「過剰債務」を訴える企業は24.7%で、4社に1社の水準だった。
 倒産の「増加予測」は減少したが、業績や債務改善は厳しい見通しが多い。貸出金利の上昇や資金繰り支援の縮小などで、厳しい見方が依然として消えない微妙な立ち位置だ。

※本調査は、2025年12月1日~8日に、インターネットによるアンケート調査を実施し、有効回答6,635社を集計・分析した。
※資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業等を含む)を中小企業と定義した。


Q1.2025年(1-12月)の倒産件数は、2年連続で1万件を超える可能性があります。来年(2026年)の貴社業界の倒産動向は、どのように予想しますか?(択一回答)

◇「増える」は55.3%
 自社業界の来年の倒産見通しを聞いた。
 「増える」は55.3%(5,686社中、3,147社)、「減る」は3.6%(207社)、「変わらない」は41.0%(2,332社)だった。2024年12月の調査(2025年の倒産予想)では、それぞれ63.0%、2.7%、34.3%で、見通しは良化した。
 「増える」と回答した企業が多い業種(中分類、回答母数10以上)では、「印刷・同関連業」の88.0%(50社中、44社)が最多だった。
 「減る」と回答した業種では、旅行業や家事サービス業などが含まれる「その他の生活関連サービス業」の13.8%(36社中、5社)が最も多かった。

Q1.2025年(1-12月)の倒産件数は、2年連続で1万件を超える可能性があります。来年(2026年)の貴社業界の倒産動向は、どのように予想しますか?

Q2.貴社の来年(2026年)の業績はどのように見通しますか。1年間を通じた大まかな売上高と利益(経常利益ベース)の見通しをお答えください(択一回答)

◇「増収増益」は17.6%、前期比2ポイント以上減
 最多は「(売上)横這い(利益)横這い」の27.6%(6,635社中、1,836社)だった。以下、「増収増益」の18.2%(1,213社)、「減収減益」の13.4%(890社)と続く。2024年12月調査では、それぞれ23.8%、20.0%、13.6%だった。
 増減収では、「増収」(増収増益+増収横ばい+増収減益)は36.6%(2,430社、2024年12月調査40.9%)、「(売上)横這い」は42.0%(2,788社、同37.0%)、「減収」は21.3%(1,417社、同22.0%)だった。増減益では、「増益」(増収増益+横這い増益+減収増益)は27.0%(1,797社、同28.6%)、「(利益)横這い」は44.8%(2,973社、同43.1%)、「減益」は28.1%(1,865社、同28.1%)だった。
 売上・利益動向を業種別(中分類、回答母数10以上)でみると、「増収」トップは、自動車保険を中心に値上げが相次ぐ「保険業」の60.0%(20社中、12社)。「減収」トップは制作会社などの「映像・音声・文字情報制作業」の37.5%(24社中、9社)だった。
 利益面では、「増益」トップは「自動車整備業」の41.4%(41社中、17社)で、工賃適正化が奏功している。「減益」トップは「学校教育」の47.6%(21社中、10社)だった。

Q2.貴社の来年(2026年)の業績はどのように見通しますか。1年間を通じた大まかな売上高と利益(経常利益ベース)の見通しをお答えください

Q3.貴社の債務(負債)の状況は、次のうちどれですか?(択一回答)

◇「過剰感あり」は24.7%
 負債比率や有利子負債比率など定量数値に限定せず、債務の過剰感を聞いた。 
 「コロナ前から過剰感」は9.2%(6,273社中、581社)だった、また、「コロナ後に過剰感」は15.5%(974社)で、合計24.7%が「過剰債務」と回答した。前回調査(2025年6月)からは0.4ポイント悪化した。
 「過剰感がある」(コロナ前から+コロナ後に)を業種別(業種中分類、回答母数10以上)で分析すると、学習塾などの「その他の教育,学習支援業」が66.6%(12社中、8社)で最も多かった。50%以上は4業種だった。
 「コロナ後に過剰」と回答した企業が最も多かったのは、「飲食店」の44.0%(50社中、22社)だった。前回調査の28.2%から大きく増加した。
 規模別でみると、大企業の「過剰感あり」は15.3%(502社中、77社)だったのに対し、中小企業では25.6%(5,771社中、1,478社)に達し、10ポイント以上の開きが生じた。

Q3.貴社の債務(負債)の状況は、次のうちどれですか?



 2026年の業績予想は「増収」が36.6%で、昨年調査の40.9%から4.3ポイント減少した。コスト高を背景に、価格転嫁が広がり消費者物価や企業間物価は上昇している。製品やサービスの売れ行きを2025年と同じだけ確保した場合、増収となるはずだ。それでも増収を予想する企業が落ち込んだのは、受注動向に悲観的な見方の企業が増えていることを物語る。個人消費や企業間取引が活性化されないと、利益率の悪化に跳ね返りやすい状況といえる。
 一方、自社業界の倒産が「増える」とみる企業は55.3%で、昨年調査の63.0%から7.7ポイント低下した。ただ、印刷や木材、アパレル関連では8割を超える企業が「増える」とみており、業種間での開きが大きい。また、過剰債務を訴える企業は24.7%に達し、依然として高い水準が続いている。業種別では、コロナ禍を経て活況が戻った「学習塾」や「飲食店」などが高水準で、コロナ後に開業した企業を含め、優勝劣敗が鮮明化しつつある。
 金融機関や支援機関による伴走やハンズオンでの支援は、リソースは限られている。苦境から抜け出せない業種への重点的な取り組みが必要だろう。

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