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「円安」、企業の41.3%が「経営にマイナス」 希望レートは「1ドル=133.5円」、現状と20円以上の乖離

~ 2025年12月「為替に関するアンケート調査」 ~
 長引く円安が企業経営に影響を与えている。2025年10月に高市政権が発足し、積極財政を掲げ、財政支出が膨張するなどの見方から、為替相場は円安が加速した。FRB(米連邦準備制度理事会)が政策金利を0.25%引き下げ、3.5~3.75%と決定した12月11日も、1ドル=155円前後と円安が続いている。
 東京商工リサーチ(TSR)が12月1日~8日に実施したアンケート調査で、11月末「1ドル=156円前後」の為替水準が経営に「マイナス」と回答した企業は41.3%だった。

 円安が「マイナス」と回答した企業は、大企業が41.8%、中小企業41.3%で、大企業が0.5ポイント上回った。また、業種別では、「マイナス」の回答は、「小売業」が半数以上の55.7%にのぼった。事業規模を問わず、内需型産業を中心に円安の影響が広がっている。
 一方、「情報通信業」では60.9%が「影響はない」と回答した。
 国内企業が適正とした為替レートは、「1ドル=133.5円」、中央値「1ドル=135.0円」で、現状の為替レート「1ドル=155円前後」とは、大幅な乖離がある。
 日本銀行が12月18日、19日に開く金融政策決定会合で追加利上げが検討され、12月か1月には利上げ決定の公算が高まっている。長期金利が18年ぶりの高水準に上昇するなか、利上げが円安抑制の誘因になるか注目される。
 過度な円安は物価高を加速し、インフレを助長するリスクもある。引き続き円安が企業経営に与える影響に目が離せない。
※ 本調査は、2025年12月1日~8日にインターネットによるアンケート調査を実施し、有効回答6,151社を集計、分析した。
※ 資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業等を含む)を中小企業と定義した。
※ 前回調査は、2024年6月14日発表。


Q1.今年11月末(1ドル=156円前後)の為替水準は貴社の経営にとってプラスですか?マイナスですか?(択一回答)
 1ドル=156円前後の円安が経営に及ぼす影響について、回答の最多は「マイナス」の41.3%(6,151社中、2,546社)だった。前回調査(2024年6月実施、1ドル=156円前後)の54.4%と比べ、13.1ポイントダウンした。一方、「プラス」は4.4%(272社)にとどまり、現在の円安水準は、未だ企業へのマイナス影響が大きいことがわかった。
 規模別では、「マイナス」は大企業が41.8%(487社中、204社)、中小企業が41.3%(5,664社中、2,342社)だった。前回調査では、大企業が49.5%、中小企業が55.0%で、それぞれ7.7ポイント、13.7ポイントずつダウンした。円安が膠着するなか、対応が進み一定の「慣れ」が生じている可能性もある。
 「プラス」は大企業が7.1%(35社)、中小企業が4.1%(237社)で、輸出関連の寄与度から大企業が3.0ポイント上回った。



産業別 「小売業」と「卸売業」のマイナス影響が半数以上
 「マイナス」影響の割合が最も高かったのは、内需型の小売業が55.7%(332社中、185社)。次いで、卸売業の53.0%(1,097社中、582社)と、2産業が5割を超えた。
 また、部材などの仕入価格が影響する製造業が47.7%(1,493社中、713社)、飼料などを輸入に頼る農・林・漁・鉱業が45.2%(53社中、24社)と、全企業の41.3%を上回った


Q2.貴社にとって望ましい円相場は1ドルいくらですか?
 望ましい為替レートについて、2,963社から回答を得た。
 平均値は「1ドル=133.5円」(大企業136.2円、中小企業133.3円)、中央値は「1ドル=135.0円」(大企業140.0円、中小企業130.0円)で、いずれも現状の為替レートと20円以上の乖離がある。
 5円刻みのレンジでは、最多が「120円以上125円未満」の19.8%(587社)。以下、「140円以上145円未満」が17.3%(514社)、「130円以上135円未満」が16.1%(480社)、「150円以上155円未満」が11.0%(328社)と続く。今年11月末頃の「1ドル=156円前後」が含まれる「155円以上」と回答した企業は6.0%(180社)にとどまった。
 規模別でみると、最多レンジの「120円以上125円未満」は、大企業が15.0%(212社中、32社)に対し、中小企業が20.1%(2,751社中、555社)で、5.1ポイント上回った。
 一方、「140円以上145円未満」では大企業が22.1%(47社)で最多。中小企業の16.9%(467社)を5.2ポイント上回った。

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