2025年1-11月の「税金滞納」倒産は147件 資本金1千万円未満の小・零細企業が約6割
~ 2025年1-11月の「税金滞納」倒産状況 ~
2025年11月の「税金(社会保険料を含む)滞納」倒産は10件(前年同月比9.0%減)で、3カ月連続で前年同月を下回った。1-11月累計は147件(前年同期比11.9%減)で、この10年間では2024年の167件に次ぐ2番目の高水準で推移している。
円安による物価高や人手不足に対応するための賃上げ、金利上昇などで企業の収益は厳しい状況に直面している。コロナ禍から業績回復が遅れた企業の中には過剰債務に陥っている企業も少なくはなく、運転資金の手当てに余裕がない。税金や社会保険の滞納を一因とした倒産が高止まりしている。
「税金滞納」を一因とする倒産は、資本金1千万円未満が87件(構成比59.1%)と、中小企業が半数以上を占める。ただ、負債額は1億円以上が74件、同1億円未満が73件と拮抗している。
税金滞納は負債を押し上げ、経営再建に大きな障害となる。近年、物価や人件費など、コスト上昇が企業収益を圧迫し、なかでも人材確保のための賃上げは社会保険料の負担増につながっている。納税は義務だが、“徴収ありき”の対応は事業再建を妨げかねない。事業維持と納税を目指す企業は、分納など関係機関との十分なコミュニケーションが重要になっている。
※本集計は、2025年1-11月の全国企業倒産(負債1,000万円以上)の「コンプライアンス違反」倒産のうち、「税金滞納」関連を集計・分析した。
