• TSRデータインサイト

新型コロナ破たん、9月は4カ月ぶりに前月比増

 9月は「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円未満含む)が169件判明し、2020年2月の第1号の発生から累計1万2,894件に達した。2025年5月に5カ月ぶりとなる190件超えを記録後、3カ月連続して年間の最少件数を更新。9月は169件と再び増加へ転じ、コロナ破たんは流動的な推移をたどっている。
 国内の企業数(358万9,333社、2016年総務省「経済センサス」)を基にした比率では、コロナ破たん率は0.359%で、全国の企業300社強に1社が破たんした計算となる。都道府県別で最も比率が高いのは東京都の0.614%、次いで福岡県の0.560%、宮城県の0.526%、群馬県の0.443%、大阪府の0.432%と続く。一方、最低は岐阜県の0.158%で、地域によってばらつきもみられる。
 コロナ破たんは一進一退で推移し、倒産件数と比較すると依然として2割程度を占めている。コロナ融資の返済や物価高、借入金利の上昇など負担が増すなか、資金繰りが悪化する企業も多い。当面、コロナ破たんは月間150件前後のペースで推移する可能性が高い。






【都道府県別】~ 累計300件以上は12都道府県 ~
 都道府県別では、東京都が2,570件と全体の2割強(構成比19.9%)を占め、突出している。以下、大阪府1,177件、福岡県759件、愛知県609件、兵庫県550件、神奈川県545件、北海道541件、埼玉県419件、広島県347件、千葉県343件、京都府334件、宮城県313件と続く。
 300件超えが12都道府県、200件~300件未満が5県、100件~200件未満も17県に広がっている。一方、10件未満はゼロで、最少は鳥取県の31件。


人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「社長の出身大学」 日本大学が15年連続トップ 40歳未満の若手社長は、慶応義塾大学がトップ

2025年の社長の出身大学は、日本大学が1万9,587人で、15年連続トップを守った。しかし、2年連続で2万人を下回り、勢いに陰りが見え始めた。2位は慶応義塾大学、3位は早稲田大学と続き、上位15校まで前年と順位の変動はなかった。

2

  • TSRデータインサイト

内装工事業の倒産増加 ~ 小口の元請、規制強化で伸びる工期 ~

内装工事業の倒産が増加している。業界動向を東京商工リサーチの企業データ分析すると、コロナ禍で落ち込んだ業績(売上高、最終利益)は復調している。だが、好調な受注とは裏腹に、小・零細規模を中心に倒産が増加。今年は2013年以来の水準になる見込みだ。

3

  • TSRデータインサイト

文房具メーカー業績好調、止まらない進化と海外ファン増加 ~ デジタル時代でも高品質の文房具に熱視線 ~

東京商工リサーチ(TSR)の企業データベースによると、文房具メーカー150社の2024年度 の売上高は6,858億2,300万円、最終利益は640億7,000万円と増収増益だった。18年度以降で、売上高、利益とも最高を更新した。

4

  • TSRデータインサイト

ゴルフ練習場の倒産が過去最多 ~ 「屋外打ちっぱなし」と「インドア」の熾烈な競争 ~

東京商工リサーチは屋外、インドア含めたゴルフ練習場を主に運営する企業の倒産(負債1,000万円以上)を集計した。コロナ禍の2021年は1件、2022年はゼロで、2023年は1件、2024年は2件と落ち着いていた。 ところが、2025年に入り増勢に転じ、10月までの累計ですでに6件発生している。

5

  • TSRデータインサイト

解体工事業の倒産が最多ペース ~ 「人手と廃材処理先が足りない」、現場は疲弊~

各地で再開発が活発だが、解体工事を支える解体業者に深刻な問題が降りかかっている。 2025年1-10月の解体工事業の倒産は、同期間では過去20年間で最多の53件(前年同期比20.4%増)に達した。このペースで推移すると、20年間で年間最多だった2024年の59件を抜いて、過去最多を更新する勢いだ。

TOPへ