• TSRデータインサイト

民事再生のパチンコ大手、(株)ガイアの信用調査報告書を読み解く

 10月30日に東京地裁に民事再生法の適用を申請した(株)ガイア(TSR企業コード: 320363295)。パチンコホール大手のTSR REPORT(信用調査報告書)には何が書かれていたのか――。

 民事再生を申請する2年以上前の2021年9月に作成された信用調査報告書の「資金調達状況」には、「関連会社への多大な貸付金、赤字補填などにより、借入金は多大なものと思料」、「金融機関及びリース会社などにリスケ要請を行った模様」と記載され、資金繰りが平時の状況にはないことを伺わせている。また、「リスケ期限が2021年12月」と断定的な記載もある。リスケについて、当事者からの明言はないものの側面取材により得た情報から、「有事の資金繰り」を伺わせる書きぶりだ。

 民事再生直前の今年10月13日のTSR情報全国版(信用情報誌)には、ガイアの1回目の資金ショートを伝える記事を掲載した。大規模に事業を展開する企業は決済不調に陥る前に準則型私的整理やスポンサーによる抜本支援、法的手続きなどを選択する傾向にあるため、この情報は関係先に驚きをもって受け止められた。


 債権者の立場では、最悪の事態を想定して想定焦付額の算定が必要になる。それには、ガイアとともに法的申請が予想される関係会社の推定が不可欠だ。
 今年10月18日に作成された信用調査報告書にはガイアが貸付金を拠出している先として、(株)MG建設(TSR企業コード:024468304)や(株)ガイア・ビルド(TSR企業コード:296262234)など複数が記載されている。最終的にこれらの企業はガイアと同時に民事再生を申請した。


(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2023年11月1日号掲載予定「破綻企業の信用調査報告書」を再編集)

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

三菱マヒンドラ農機、同時にグループ2社も解散へ

農業用機械の生産販売を終了する三菱マヒンドラ農機(株)(TSRコード:760014582、松江市)に関連して、グループ2社も同時に解散することが東京商工リサーチ(TSR)の取材で分かった。

2

  • TSRデータインサイト

「警備業」倒産 20年間で最多ペースの20件 警備員不足と投資格差で淘汰が加速へ

コロナ禍後のイベント復活や建設現場の交通誘導、現金輸送など警備業の活動範囲は広がっている。だが、「警備業」の2025年度(4-2月)の倒産は、2月までに20件(前年同期比25.0%増)に達した。現状のペースをたどると2006年度以降の20年間で最多だった2007年度、2024年度の21件を超える見込みだ

3

  • TSRデータインサイト

働き方の多様化で労働基準法改正の議論加速 ~ 日本成長戦略会議などで労働時間規制の緩和を検討 ~

労働基準法改正に向けた議論が進んでいる。通常国会への法案提出は見送られたが、高市総理は施政方針演説で「柔軟な働き方の拡大に向けた検討を進める」と表明した。日本成長戦略会議や規制改革会議などで労働時間規制の緩和に向けた検討が加速しそうだ。

4

  • TSRデータインサイト

中国の軍民両用製品の輸出禁止 禁止リスト登録企業の国内取引先は約1万社

中国商務省は2月24日、国内20の防衛関連の企業や団体を軍民用品(デュアルユース)の輸出禁止リストの対象に加えたと発表した。この他、輸出規制の監視リストに国内20企業や団体も加えた。

5

  • TSRデータインサイト

2025年度(4-2月)のタクシー会社の倒産が36件 年度は過去20年で最多が確実、地方で淘汰が加速

 2025年度(4-2月)の「タクシー業」の倒産が36件(前年同期比80.0%増)に達し、過去20年間で最多だった2011年度の36件(年度件数)に並んだ。前年同期の1.8倍に増加し、このペースで推移すると、2025年度は2006年度以降の20年間で最多件数の更新が確実になった。

TOPへ