• TSRデータインサイト

11月の「円安」関連倒産は1件、7月より5カ月連続で発生 ~【11月速報】 「為替」関連倒産(11月30日現在) ~

 11月の「円安」関連倒産は1件(前年同月ゼロ件)で、7月から5カ月連続で発生した。2022年1-11月の円安関連倒産は累計18件(前年同期5件)で、前年同期の3.6倍と大幅に増えている。

 10月21日深夜、外国為替市場の円相場が一時、1ドル=151円90銭台まで円が下落し、日本銀行の為替介入後も、10月末の為替相場は1ドル=148円01銭と円安が続いた。
 だが、11月10日に米国消費者物価指数(CPI)が発表されると、上昇率が当初の予想を下回り、11月11日は1ドル=141円19銭(前日146円31銭)に急伸した。以降も140円を挟んだ展開で、11月29日は138円28銭と1カ月で円が10円近く上昇した。
 11月の円安関連倒産は、額縁メーカー1件で、円安による仕入コスト上昇分を価格転嫁できなかったことが一因となった。
 12月1日、外国為替市場の円相場は3カ月ぶりに1ドル=136円台をつけた。円安は峠を越えたとの見方も出ているが、日米金利差や中国経済の先行き懸念もあり、先の見透しは流動的な状態が続くだろう。国内では物価高が収まらず、価格転嫁が難しい中小企業の資金繰りや個人消費の動向などの不安要因も払拭されず、当面の推移には注意が必要だ。

円安

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

【破綻の構図】マツオインターナショナル~膨らんだ債務と抜本再生への移行~

婦人服ブランド「ヴィヴィアン タム」「慈雨(じう)」「t.b2」などを展開し、ピーク時には国内外で約400店を構えていたマツオインターナショナル(株)(TSRコード:292635265、以下マツオ)が12月11日、大阪地裁に会社更生法の適用を申請した。

2

  • TSRデータインサイト

交響楽団の収益悪化、来場者戻らずコスト上昇 ~ 綱渡りの自助経営、草の根のムーブメントへの期待 ~

交響楽団が存立の危機に立たされている。多くの交響楽団で収入が落ち込んでおり、赤字が目立つ。会場費や団員などの人件費、楽器の輸送コストなどが上昇のうえ、寄附金や補助金による収入は頭打ちで綱渡りの運営だ。東京商工リサーチは、3期連続で業績が比較できる20団体を調査した。

3

  • TSRデータインサイト

地場スーパー倒産 前年同期の1.5倍に大幅増 地域密着型も値上げやコスト上昇に勝てず

2025年1-11月の「地場スーパー」の倒産が22件(前年同期比46.6%増)と、前年同期の約1.5倍で、すでに前年の年間件数(18件)を超えた。

4

  • TSRデータインサイト

長渕剛さん側、イベント会社の破産申立に続き代表を刑事告訴 ~長渕さん「徹底追求」、イベント会社代表「横領でない」と反論~

歌手の長渕剛さんが代表を務める個人事務所の(株)オフィスレン(渋谷区)が、イベント運営を委託していたダイヤモンドグループ(株)(東京都中央区)の代表を業務上横領罪で刑事告訴したことがわかった。東京商工リサーチの取材で長渕さん側が明らかにした。

5

  • TSRデータインサイト

「ペット・ペット用品小売業」倒産が過去2番目の14件 実質賃金の低迷と物価高がペットの世界にも影響

2025年11月の「ペット・ペット用品小売」の倒産は、1件(前年同月ゼロ)にとどまったが、1-11月累計は14件(前年同期比27.2%増)に達した。

TOPへ