• TSRデータインサイト

マレリHD 「簡易再生」開始決定

 事業再生ADRが不成立となり6月24日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し同日、民事再生開始決定を受けたマレリホールディングス(株)(TSR企業コード:022746064、法人番号:7010001178910、さいたま市北区、以下マレリHD)は7月7日、東京地裁に民事再生手続きにおける簡易再生を申請し同日、簡易再生開始決定を受けたと発表した。
 負債総額は1兆1,330億円。

 今回の簡易再生は金融機関のみが対象で、商取引債権に影響はない。事業再生ADRと同等の計画案を掲示し、7月19日の債権者集会で債権額の60%以上の同意による計画案の可決を目指す。可決されれば7月中に裁判所が再生計画を認可し、約3週間後の8月上旬の認可確定後にスポンサーのKKRの資本再編成やマレリHDの減資などが行われる予定。
 簡易再生は、債権者の多数決で早期に再生計画を成立できるのが特徴。マレリHDは、事業再生ADRの100%同意を得られず、不成立となっていた。簡易再生は債権額の60%以上の同意を求められるが、ADR手続きで95%程度の同意を得ているため、マレリHD側は「簡易再生開始決定が出れば、事実上、計画案は成立する」としている。

 マレリHDは、事業規模の拡大の失敗や新型コロナウイルスの影響などで経営が悪化。スポンサーのKKRと金融機関の債権放棄など約4,500億円の支援を柱とし、グループ4社含めて事業再生ADRの成立を目指していた。簡易再生開始決定を受けたのは、マレリHDのみで、傘下の事業会社などは申請していない。
 簡易再生開始決定で、再生に向けて1歩前進した。しかし、円安や資材高騰、自動車の電動化など、自動車部品メーカーを取り巻く環境は厳しさを増している。マレリHDと一部の事業会社は2021年12月期の決算を公表しておらず、今後の決算公開も注目を集めている。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2024年度「人手不足倒産予備軍」  ~ 今後は「人材採用力」の強化が事業継続のカギ ~

賃上げ圧力も増すなか他社との待遇格差で十分な人材確保ができなかった企業、価格転嫁が賃上げに追い付かず、資金繰りが限界に達した企業が事業断念に追い込まれている。  こうした状況下で「人手不足」で倒産リスクが高まった企業を東京商工リサーチと日本経済新聞が共同で分析した。

2

  • TSRデータインサイト

2025年1-11月の「人手不足」倒産 359件 サービス業他を主体に、年間400件に迫る

深刻さを増す人手不足が、倒産のトリガーになりつつある。2025年11月の「人手不足」倒産は34件(前年同月比70.0%増)と大幅に上昇、6カ月連続で前年同月を上回った。1-11月累計は359件(前年同期比34.4%増)と過去最多を更新し、400件も視野に入ってきた。

3

  • TSRデータインサイト

【社長が事業をやめる時】 ~消えるクリーニング店、コスト高で途絶えた白い蒸気~

厚生労働省によると、全国のクリーニング店は2023年度で7万670店、2004年度以降の20年間で5割以上減少した。 この現実を突きつけられるようなクリーニング店の倒産を聞きつけ、現地へ向かった。

4

  • TSRデータインサイト

2025年1-11月の「税金滞納」倒産は147件 資本金1千万円未満の小・零細企業が約6割

2025年11月の「税金(社会保険料を含む)滞納」倒産は10件(前年同月比9.0%減)で、3カ月連続で前年同月を下回った。1-11月累計は147件(前年同期比11.9%減)で、この10年間では2024年の167件に次ぐ2番目の高水準で推移している。

5

  • TSRデータインサイト

地場スーパー倒産 前年同期の1.5倍に大幅増 地域密着型も値上げやコスト上昇に勝てず

2025年1-11月の「地場スーパー」の倒産が22件(前年同期比46.6%増)と、前年同期の約1.5倍で、すでに前年の年間件数(18件)を超えた。

TOPへ