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第2回「価格転嫁に関するアンケート」調査 ~ 「価格転嫁できていない」61.7%、「全額転嫁」は4.0% ~

 原油高・原材料価格の上昇が続くなか、東京商工リサーチ(TSR)は6月1日~9日にかけて価格転嫁に関するアンケート調査を実施した。調査では、原油高や原材料価格の上昇で「経営にマイナスの影響を受けている」と回答した企業が約7割(68.6%)に達した。
 「現時点で受けていないが、今後影響が見込まれる」とした企業も24.3%あり、これを合わせると93.0%の企業がマイナスの影響があると回答した。コロナ禍やウクライナ情勢に伴うサプライチェーンの乱れ、20年ぶりの円安水準など、外部環境の激変に国内企業は翻弄されている。
 また、コスト上昇分を「転嫁できていない」企業は61.7%に達した。価格転嫁できた割合を「10割」(全額転嫁)と回答した企業は4.0%にとどまった。
 ※本調査は、2022年6月1日~9日にインターネットによるアンケート調査を実施し、有効回答6,141社を集計・分析した。
 ※資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業等を含む)を中小企業と定義した。


Q1.原油・原材料の高騰によって、経営にマイナスの影響を受けていますか?(択一回答)

  「マイナスの影響」、9割超
 「影響を受けている」が68.6%(6,141社中、4,216社)、「現時点で受けていないが、今後影響が見込まれる」は24.3%(1,496社)で、合計93.0%がマイナスの影響に言及している。
 規模別では、大企業の93.4%(869社中、812社)、中小企業が92.9%(5,272社中、4,900社)がマイナスの影響に言及している。

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Q2.原油・原材料の高騰に伴うコスト上昇分のうち、何割を価格転嫁できていますか?

  「6割超が「転嫁できていない」
 「転嫁できていない」は61.7%(4,367社中、2,697社)で、今年4月の前回調査(68.6%)から6.9ポイント改善した。一方、「10割」(全額転嫁)は4.0%(176社)にとどまった。
 規模別では、「転嫁できていない」は大企業が62.7%(518社中、325社)に対し、中小企業は61.6%(3,849社中、2,372社)。前回調査ではそれぞれ73.0%、68.1%だった。
 「転嫁できていない」と回答した企業の産業別は、受託開発ソフトウェアや情報提供サービスが含まれる「情報通信業」が90.4%(188社中、170社)で最も高かった。役務提供の業種は、価格転嫁が難しいようだ。
 一方、「卸売業」は45.3%(980社中、444社)、「製造業」は52.9%(1,475社、781社)で、BtoBが主体の業種では価格転嫁が進んでいる。

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 原油高や原材料価格の上昇が、企業経営に深刻な影響を及ぼしている。経営へのマイナスの影響について、企業の約9割(93.0%)が影響があると回答。コスト上昇分を「転嫁できていない」は61.7%に達した。前回調査(2022年4月)の68.6%から6.9ポイント改善したが、依然として6割を超える企業が自社の製品や商品、サービス価格に転嫁できていない。
 原油・原材料の価格高止まりが続き、価格転嫁が進まない状況が長引くと政府が目指す賃上げや雇用環境の改善にも暗い影を落としかねない。
 「転嫁できていない」企業の規模別では、大企業が62.7%、中小企業は61.6%で大差なかった。ただ、産業別では「情報通信業」が90.4%、「卸売業」が45.3%と格差が鮮明だ。
 政府は円滑な価格転嫁に向け、規模の大きい「親事業者」への監視強化を進めるが、親事業者もコスト上昇への対応に苦慮している。コスト上昇局面では、親事業者への監視強化だけでは親事業者の競争力が失われ、下請け構造の取引全体に影響が出る可能性も懸念される。
 「親事業者・下請事業者」、「大企業・中小企業」などの二軸対立を柱にした取り組みでは、抜本的な解決は難しい。中小企業の生産性向上を支援する取り組みと同時に、その効果が親事業者から下請け、納入業者まで広がる有用な仕組みづくりが急がれる。

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