• TSRデータインサイト

コロナ関連破たんは累計3,402件 運転資金の確保も経営課題に浮上

  5月6日は16時時点で「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円以上)が11件判明、全国で累計3,235件(倒産3,094件、弁護士一任・準備中141件)となった。 2021年の年間件数は1,718件に達し、2020年の843件に比べて2倍に増加した。2022年に入っても1月、2月と連続して100件超え、さらに年度末の3月は過去最多を更新する216件に達した。4月に入ってもこれまでに4番目に多い164件で、100件超えは15カ月連続となった。
倒産集計の対象外となる負債1,000万円未満の小規模倒産は累計167件判明。この結果、負債1,000万円未満を含めた新型コロナウイルス関連破たんは累計で3,402件に達した。
3年ぶりに行動制限のない大型連休となり、繁華街や行楽地を中心に消費回復への期待が膨らんでいる。一方、経済活動が活発化すれば、運転資金の確保も経営課題に浮上するほか、アフターコロナへの対応に伴う資金需要も発生する。
金融機関によるリスケ対応など、柔軟な姿勢に変化はなく、政府主導の「中小企業活性化パッケージ」の関連施策も本格化する見込みで、企業支援策は引き続き拡充されている。
ただし、業績不振の長期化で過剰債務に陥った企業は増加している。息切れやあきらめによる脱落や資金繰り破たんも加わり、コロナ破たんは当面、高水準で推移するとみられる。

【都道府県別】(負債1,000万円以上) ~ 100件以上は8都道府県 ~

 都道府県別では、東京都が681件(倒産658件、準備中23件)に達し、全体の2割強(構成比21.0%)を占め、突出している。以下、大阪府328件(倒産317件、準備中11件)、福岡県163件(倒産154件、準備中9件)、愛知県156件(倒産152件、準備中4件)、兵庫県145件(倒産138件、準備中7件)、神奈川県142件(倒産139件、準備中3件)、北海道123件(倒産118件、準備中5件)、埼玉県116件(倒産106件、準備中10件)と続く。
6日は東京都で4件のほか、福岡県で各2件など7都府県で合計11件判明した。10件未満は1県、10~20件未満が8県、20~50件未満が22県、50件以上100件未満が8府県、100件以上は8都道府県に広がっている。

【業種別】(負債1,000万円以上) ~ 飲食が最多の539件、建設、アパレル、食品卸、宿泊が続く ~

 業種別では、来店客の減少、休業要請などで打撃を受けた飲食業が最多で539件に及ぶ。営業制限が続いた地域を中心に、経営体力の消耗やあきらめによる飲食業の新型コロナ破たんがさらに増加する可能性も強まっている。
次いで、工事計画の見直しなどの影響を受けた建設業が350件、小売店の休業が影響したアパレル関連(製造、販売)の251件。このほか、飲食業などの不振に引きずられている飲食料品卸売業が146件。インバウンドの需要消失や旅行・出張の自粛が影響したホテル,旅館の宿泊業が128件と、上位を占めている。

【負債額別】(負債1,000万円以上)

 負債額が判明した3,200件の負債額別では、1千万円以上5千万円未満が最多の1,203件(構成比37.5%)、次いで1億円以上5億円未満が1,028件(同32.1%)、5千万円以上1億円未満が607件(同18.9%)、5億円以上10億円未満が188件(同5.8%)、10億円以上が174件(同5.4%)の順。
負債1億円未満が1,810件(同56.5%)と半数以上を占める。一方、100億円以上の大型破たんも8件発生しており、小・零細企業から大企業まで経営破たんが広がっている。

【形態別】(負債1,000万円以上)

 「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産した3,094件の形態別では、破産が2,749件(構成比88.8%)で最多。次いで取引停止処分が131件(同4.23%)、民事再生法が130件(同4.20%)、特別清算が67件、内整理が14件、会社更生法が3件と続く。
「新型コロナ」関連倒産の9割を消滅型の破産が占め、再建型の会社更生法と民事再生法の合計は1割未満にとどまる。業績不振が続いていたところに新型コロナのダメージがとどめを刺すかたちで脱落するケースが大半。
先行きのめどが立たず、再建型の選択が難しいことが浮き彫りとなっている。

【従業員数別】(負債1,000万円以上)

 「新型コロナ」関連破たんのうち、従業員数(正社員)が判明した3,077件の従業員数の合計は3万559人にのぼった。
3,077件の内訳では従業員5人未満が1,746件(構成比56.7%)と、半数以上を占めた。次いで、5人以上10人未満が599件(同19.4%)、10人以上20人未満が390件(同12.6%)と続き、従業員数が少ない小規模事業者に、新型コロナ破たんが集中している。
また、従業員50人以上の破たんは2021年上半期(1-6月)で17件、下半期(7-12月)で15件。2022年は13件発生している。

※ 企業倒産は、負債1,000万円以上の法的整理、私的整理を対象に集計している。
※ 原則として、「新型コロナ」関連の経営破たんは、担当弁護士、当事者から要因の言質が取れたものなどを集計している。
※ 東京商工リサーチの取材で、経営破たんが判明した日を基準に集計、分析した。

0428以上

‌               (負債1,000万円以上)                  

0428未満

‌               (負債1,000万円未満を含む)                      

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「倒産発生率」ワーストは京都府 近畿2府4県がワースト10位内、地域の格差拡大

2025年の「倒産発生率」は0.199%で、2024年から0.005ポイント上昇した。地区別は、ワーストの近畿が0.31%、最低の北海道は0.126%で、最大2.4倍の差があり、地域格差が拡大したことがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

新型コロナ破たん、2カ月連続の150件割れ

2月は「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円未満含む)が140件判明し、2020年2月の第1号の発生から累計1万3,715件に達した。2026年1月は143件で2022年1月の117件以来、4年ぶりに150件を下回ったが、2月も140件と小康状態が続いている。

3

  • TSRデータインサイト

2025年の株主優待「導入」上場企業は175社 個人株主の取り込みが課題、優待廃止は68社に

2025年に株主優待の導入(再導入を含む)を発表した上場企業は175社だった。一方で、廃止を発表した上場企業は68社だったことがわかった。

4

  • TSRデータインサイト

2026年度の「賃上げ」 実施予定は83.6% 賃上げ率「5%以上」は35.5%と前年度から低下

2026年度に賃上げを予定する企業は83.6%で、5年連続で80%台に乗せる見込みだ。 2025年度の82.0%を1.6ポイント上回った。ただ、賃上げ率は、全体で「5%以上」が35.5%(2025年8月実績値39.6%)、中小企業で「6%以上」が7.2%(同15.2%)と、前年度の実績値から低下した。

5

  • TSRデータインサイト

2025年 上場企業の「監査法人異動」は196社 「中小から中小」が78社、理由のトップは「監査期間」

全国の証券取引所に株式上場する約3,800社のうち、2025年に「監査法人異動」を開示したのは196社(前年比43.0%増、前年137社)だった。

TOPへ