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海運大手3社 最終益計2兆円超へ コンテナ船堅調で相次ぐ上方修正

2022年3月期 通期連結業績予想

 日本郵船、商船三井、川崎汽船の海運大手3社が、相次いで決算を上方修正した。2022年3月期の連結最終利益は3社合計で2兆円を上回り、前期の最終利益計3379億円から約6倍の大幅増益になりそうだ。世界的な輸送需要を背景に、3社の持分法適用会社が運営するコンテナ船事業が業績を押し上げた。

 3社の業績を牽引するのは、持分法適用会社OCEAN NETWORK EXPRESS PTE.LTDの投資利益。コンテナ船の短期運賃市況が想定を上回る水準で推移し、旺盛な貨物需要も継続し燃料価格の高騰を吸収した。

 上方修正した2022年3月期の連結業績予想は、日本郵船が売上高2兆2000億円(前期比36.8%増)、最終利益9300億円(同568.0%増)、商船三井が売上高1兆2600億円(同27.1%増)、最終利益6300億円(同599.6%増)、川崎汽船が売上高7300億円(同16.7%増)、最終利益5200億円(同378.4%増)で、3社合計の最終利益は2兆800億円を見込む。

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