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「過剰債務」の企業、約7割が「事業内容を変えず」=第5回過剰債務アンケート

 東京商工リサーチは12月1日~9日にかけて、債務の過剰感についてアンケート調査を実施した。「コロナ前から過剰感がある」は11.9%、「コロナ後に過剰となった」は17.7%で、合計29.7%の企業が「過剰債務」であると回答した。
 「過剰債務」と回答した企業割合は、前回調査(2021年10月)の29.2%から0.5ポイント上昇した。長引くコロナ禍で、赤字累積に伴う債務の増大や「オミクロン株」の出現など先行きの不透明感が影響したものとみられる。
 規模別では、中小企業(資本金1億円未満、個人企業等)で「過剰債務」と回答した企業は32.2%にのぼった。前回調査(31.9%)から0.3ポイント悪化し、依然として3割を超える状況が続いている。
 「過剰債務」と回答した中小企業のうち、71.0%が「経済が平時に戻るまで事業内容は大きく変えず、経営を継続する予定」と回答した。コロナ禍が落ち着くまで「現状維持」との意向だ。政府は「事業再構築補助金」などを通じて、ウィズコロナ、ポストコロナを見据えた取り組みを推進しているが、過剰債務を抱える企業への有効打とはなっていないようだ。

  • ※本調査は、2021年12月1日~9日にインターネットによるアンケート調査を実施し、有効回答6,706社を集計・分析した。
    前回調査は、2021年10月15日公表(アンケート期間:10月1日~11日)。
    資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業等を含む)を中小企業と定義した。

Q1.貴社の債務(負債)の状況は、次のうちどれですか?(択一回答)

中小企業の「過剰債務率」、3割超
 本調査では、負債比率や有利子負債比率など財務分析の数値に限定せず、債務の過剰感を聞いた。
 「コロナ前から過剰感」は11.9%(6,706社中、804社)、「コロナ後に過剰感」は17.7%(1,189社)で、合計29.7%が「過剰債務」と回答した。
 規模別で「過剰債務」と回答したのは、大企業の15.6%(1,027社中、161社)に対し、中小企業は32.2%(5,679社中、1,832社)。前回調査では、それぞれ13.8%、31.9%だった。

過剰債務

業種別「過剰債務率」 飲食店が約8ポイント改善
 「コロナ前から過剰感」、および「コロナ後に過剰感」と回答した企業を業種別で分析した(業種中分類、回答母数20以上)。
 「過剰債務率」の最高は、宿泊業で81.8%(33社中、27社)だった。次いで、旅行や葬儀、結婚式場などが含まれる「その他の生活関連サービス業」の68.8%(45社中、31社)。
 前回調査で過剰債務率が74.2%だった「飲食店」は66.6%(39社中、26社)で、約8ポイント低下した。9月30日で緊急事態宣言、まん延防止等重点措置が全国で解除され、営業再開や客足の回復などの業況改善が影響しているとみられる。

Q2.「コロナ前から過剰感」「コロナ後に過剰感」を回答した企業に伺います。今後どのような対応を取る予定ですか?(択一回答)

「事業再構築」は20.5%
 Q1で「コロナ前から過剰感」、「コロナ後に過剰感」と回答した企業に今後の取り組みを聞いた。1,892社から回答を得た。
 最多は「経済が平時に戻るまで事業内容は大きく変えず、経営を継続する予定」の71.7%(1,357社)だった。「政府などによる支援策を活用して「事業再構築」など新たな取り組みを実施する予定」は20.5%(388社)。

過剰債務


 中小企業の「過剰債務率」は32.2%で、前回調査から0.3ポイント悪化した。緊急事態宣言、まん延防止等重点措置が全国で解除されたものの、「オミクロン株」の出現など先行きの不透明感もあり、企業の過剰債務感は高止まりが続いている。
 「コロナ前から過剰感」、「コロナ後に過剰感」と回答した中小企業のうち、「政府などによる支援策を活用して「事業再構築」など新たな取り組みを実施する予定」は21.1%にとどまった。コロナ禍が収束してもコロナ前の生活様式を取り戻すことは難しく、政府は「事業再構築補助金」などでコロナ後への対応を企業へ促している。ただ、補助金を活用しても一定の自己資金が必要なため、過剰債務を抱える企業の中にはニーズがあっても踏み出せないジレンマを抱えている恐れがある。今後を生き抜く取り組みをさらに加速させるためにも、過剰債務への抜本対応が避けられない時期に差し掛かっている。

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