• TSRデータインサイト

東京都のコロナ破綻、500件に達する

第1号発生から約1年半で500件に、2番目の大阪府の2倍以上の高水準

 東京都の「新型コロナ」関連の経営破たんが10月20日15時、500件(倒産483件、弁護士一任・準備中17件)に達した。
東京都で初のコロナ関連破たんが発生したのは2020年3月23日。その後、店舗の休業や時短営業、外出自粛などの影響が広がり、飲食業を中心に経営破たんは月間20件ペースで推移していた。
さらに、インバウンド(外国観光客)消費、クリスマス商戦や年末年始の消費(売上)が消失した11月と12月は30件台に乗せ、増勢を強めた。2021年に入っても高水準で推移し、4月と7月は過去最多の42件が発生。10月20日に第1号発生から約1年半で500件に達した。 2021年10月20日現在、全国の新型コロナ破たんは累計2,262件で、東京都は2割超(構成比22.1%)と突出している。2位の大阪府は238件で、東京都は大阪府の2倍以上に達する。
業種別では、最多が飲食業の65件(構成比13.0%)。次いで、店舗休業や生活様式の変化が影響したアパレル(製造・販売)の54件(同10.8%)、建設業の42件(同8.4%)が続く。
9月末で緊急事態宣言が解除され、飲食業などの営業制限が緩和されている。コロナ関連の資金繰り支援効果で企業倒産は記録的な低水準で推移するが、副作用で過剰債務に陥った企業も増えている。これから稼ぎ時の年末年始、クリスマス商戦を迎えるが、体力を疲弊した企業は多い。今後、売上増に伴う資金需要に円滑に対応できない黒字倒産、息切れ倒産が増勢に転じることが懸念される。

東京コロナ500

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

建材販売業の倒産 コロナ禍の2倍のハイペース コスト増や在庫の高値掴みで小規模企業に集中

木材や鉄鋼製品などの建材販売業の倒産が、ジワリと増えてきた。2025年1-7月の倒産は93件で、前年同期(75件)から2割(24.0%)増加した。2年連続の増加で、コロナ禍の資金繰り支援策で倒産が抑制された2021-2023年同期に比べると約2倍のハイペースをたどっている。

2

  • TSRデータインサイト

「転勤」で従業員退職、大企業の38.0%が経験 柔軟な転勤制度の導入 全企業の約1割止まり

異動や出向などに伴う「転勤」を理由にした退職を、直近3年で企業の30.1%が経験していることがわかった。大企業では38.0%と異動範囲が全国に及ぶほど高くなっている。

3

  • TSRデータインサイト

女性初の地銀頭取、高知銀行・河合祐子頭取インタビュー ~「外国人材の活用」、「海外販路開拓支援」でアジア諸国との連携を強化~

ことし6月、高知銀行(本店・高知市)の新しい頭取に河合祐子氏が就任した。全国の地方銀行で女性の頭取就任は初めてで、大きな話題となった。 異色のキャリアを経て、高知銀行頭取に就任した河合頭取にインタビューした。

4

  • TSRデータインサイト

ダイヤモンドグループ、複数先への債務不履行~蔑ろにされた「地域イベントの想い」 ~

ライブやフェスティバルなどの企画やチケット販売を手掛けるダイヤモンドグループ(株)(TSRコード:298291827、東京都、以下ダイヤモンドG)の周辺が騒がしい。

5

  • TSRデータインサイト

2025年1-8月の「人手不足」倒産が237件 8月は“賃上げ疲れ“で、「人件費高騰」が2.7倍増

2025年8月の「人手不足」が一因の倒産は22件(前年同月比37.5%増)で、8月では初めて20件台に乗せた。1-8月累計は237件(前年同期比21.5%増)に達し、2024年(1-12月)の292件を上回り、年間で初めて300件台に乗せる勢いで推移している。

TOPへ