• TSRデータインサイト

コロナ破たん10月も増勢続く、累計2208件

 10月7日は16時時点で「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円以上)が5件判明、全国で累計2,094件(倒産1,993件、弁護士一任・準備中101件)となった。
 月別では、2021年に入って2月(122件)以降、3カ月連続で最多件数を更新した。5月は124件と4カ月ぶりに前月を下回ったが、6月は155件でそれまでの最多を記録した。7月(140件)、8月(124件)も100件超えが続き、9月はこれまでの最多を更新する160件に達した。10月も7日までに40件と高水準が続いている。
 倒産集計の対象外となる負債1,000万円未満の小規模倒産は累計114件判明。この結果、負債1,000万円未満を含めた新型コロナウイルス関連破たんは累計で2,208件となった。
 「緊急事態宣言」が全面解除され、飲食や観光業を中心に需要回復への期待が高まっている。ただし、地域によっては営業時間の短縮要請やイベントの制限などが継続し、当面はサービス業の流動的な事業環境が続く見込みだ。
 コロナ関連の金融支援策は継続するが、業績不振が長期化し過剰債務の問題も浮上している。息切れ破たんのほか、事業再開をあきらめて法的整理を選択するサービス業者などの増加も見込まれ、コロナ関連破たんは今後も高水準で推移するとみられる。

【都道府県別】(負債1,000万円以上) ~ 熊本県30件超えで、30件超えは17都道府県に ~

 都道府県別では、東京都が466件(倒産449件、準備中17件)に達し、全体の2割強(構成比22.2%)を占め、突出している。以下、大阪府224件(倒産216件、準備中8件)、神奈川県103件(倒産101件、準備中2件)、 愛知県96件(倒産96件)、兵庫県(倒産86件、準備中8件)と福岡県(倒産89件、準備中5件)が各94件、北海道76件(倒産73件、準備中3件)と続く。
 7日は熊本県で2件のほか、北海道、栃木県、東京都で各1件判明し、熊本県で30件超えとなった。この結果、10~20件未満が17県、20~30件未満が9県、30件以上は17都道府県に広がっている。一方、5件未満は山梨県、鳥取県(各4件)の2県のみ。

【業種別】(負債1,000万円以上)~飲食が最多の383件、建設、アパレル、食品卸、宿泊が続く ~

 業種別では、来店客の減少、休業要請などで打撃を受けた飲食業が最多で383件に及ぶ。これまで緊急事態宣言の対象となっていた地域では休業や時短営業、酒類提供の制限などで経営体力の消耗が懸念され、飲食業の新型コロナ破たんがさらに増加する可能性が強まっている。
 次いで、工事計画の見直しなどの影響を受けた建設業が207件、小売店の休業が影響したアパレル関連(製造、販売)の169件。このほか、飲食業などの不振に引きずられている飲食料品卸売業が102件。インバウンドの需要消失や旅行・出張の自粛が影響したホテル,旅館の宿泊業が95件と、上位を占めている。

【負債額別】(負債1,000万円以上)

 負債額が判明した2,060件の負債額別では、1千万円以上5千万円未満が最多の774件(構成比37.5%)、次いで1億円以上5億円未満が663件(同32.1%)、5千万円以上1億円未満が375件(同18.2%)、5億円以上10億円未満が131件(同6.3%)、10億円以上が117件(同5.6%)の順。
 負債1億円未満が1,149件(同55.7%)と半数以上を占める。一方、100億円以上の大型倒産も6件発生しており、小・零細企業から大企業まで経営破たんが広がっている。

【形態別】(負債1,000万円以上)

 「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産した1,993件の形態別では、破産が1,773件(構成比88.9%)で最多。次いで民事再生法が97件(同4.8%)、取引停止処分が89件(同4.4%)、特別清算が24件、内整理が9件、会社更生法が1件と続く。
 「新型コロナ」関連倒産の約9割を消滅型の破産が占め、再建型の会社更生法と民事再生法の合計は1割未満にとどまる。業績不振が続いていたところに新型コロナのダメージがとどめを刺すかたちで脱落するケースが大半。
 先行きのめどが立たず、再建型の選択が難しいことが浮き彫りとなっている。

【従業員数別】(負債1,000万円以上)

  「新型コロナ」関連破たんのうち、従業員数(正社員)が判明した1,992件の従業員数の合計は2万1,941人にのぼった。
 1,992件の内訳では従業員5人未満が1,125件(構成比56.4%)と、半数以上を占めた。次いで、5人以上10人未満が378件(同18.9%)、10人以上20人未満が254件(同12.7%)と続き、従業員数が少ない小規模事業者に、新型コロナ破たんが集中している。
 また、従業員50人以上の破たんは2021年1-3月で12件、4月以降は12件発生している。

※ 企業倒産は、負債1,000万円以上の法的整理、私的整理を対象に集計している。
※ 原則として、「新型コロナ」関連の経営破たんは、担当弁護士、当事者から要因の言質が取れたものなどを集計している。
※ 東京商工リサーチの取材で、経営破たんが判明した日を基準に集計、分析した。


日本地図20211006①

‌               (負債1,000万円以上)                  

日本地図20211006②

‌               (負債1,000万円未満を含む)                      

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「退職代行」からの連絡、企業の3割取り合わず 有給や退職日の交渉などの通知を3割が経験

ことし2月、大手退職代行サービスの代表らが弁護士法違反の疑いで逮捕された。4月に入り、退職代行の話題も出始めたが、弁護士や労働組合以外の「退職代行」業者から連絡があっても、3割(30.4%)の企業が非弁行為が含まれる可能性があり、取り合わないことがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

「マッサージ業」の倒産が過去30年で最多の108件 大手チェーン、リラクゼーション店と競合激化

店舗乱立による過当競争や光熱費、人件費の上昇で「マッサージ業(療術業)」の倒産が増勢をたどっている。 2025年度に倒産した「マッサージ業」は、1996年度以降の30年間で最多だった2019年度の98件を抜き、過去最多の108件(前年度比14.8%増)に達した。

3

  • TSRデータインサイト

2025年度の「医療機関」倒産 20年で最多の71件 クリニック・歯科医院の淘汰が加速、「破産」が97%超

2025年度に倒産した病院・クリニック(診療所)・歯科医院を合計した「医療機関」は、71件(前年度比20.3%増)だった。2006年度以降の20年間では、2024年度の59件を大幅に上回り、最多を更新した。

4

  • TSRデータインサイト

「士業」の倒産、2年連続最多

「士業」の倒産が目立ってきた。給付金の不正受給の指南や、顧客から預かった資金の流用など、近年はコンプライアンス違反が原因で倒産するケースも目立つ。

5

  • TSRデータインサイト

食品メーカー 売上高は値上げで24兆円に 利益は物価高に値上げが追い付かず二極化

肉・魚加工や菓子類などの「食品メーカー」4,994社の2025年の業績は、売上高24兆2,824億円(前年比3.4%増)、利益は8,806億円(同9.5%減)だった。コロナ禍以降の5年間で売上高は最高を記録した。ただ、利益はコスト上昇で減益の構図が鮮明となった。

TOPへ