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外食大手 持ち帰り需要で業績回復が二極化

ゼンショーHDやすかいらーくHD、丸亀製麺のトリドールHDなどが黒字転換

 持ち帰りニーズを取り込んだ外食の業績回復が目立ち始めた。セルフうどん店の「丸亀製麺」などを運営する(株)トリドールホールディングス(TSR企業コード:670197300、渋谷区、東証1部)は、2021年4-6月期(連結、IFRS)の営業利益が47億6900万円(前年同期35億5000万円の赤字)と黒字に転換した。好調な「うどん弁当」が寄与し、業績が急回復した。
  牛丼チェーン「すき家」などを運営する飲食大手の(株)ゼンショーホールディングス(TSR企業コード:350389764、東京都港区、東証1部)は2021年4-6月期の連結営業利益が28億7500万円(前年同期46億8100万円の赤字)、ファミリーレストラン「ガスト」、「バーミヤン」などを運営する(株)すかいらーくホールディングス(TSR企業コード:298648857、武蔵野市、東証1部)も2021年1-6月期の連結営業利益が4億5900万円(同180億8000万円の赤字)と黒字に転換した。
 一方、緊急事態宣言やまん延防止重点措置などが発令された地域で酒類提供の停止を要請された居酒屋は苦戦が続く。一部では持ち帰りに取り組むが、いち早く持ち帰りやデリバリー需要を取り込んだファーストフードなどと明暗を分けている。
 日本フードサービス協会によると、6月の「パブ・居酒屋」の売上高は前年同月比58.7%減と厳しく、「ファーストフード」は同9.1%増と、持ち帰り需要を巡り外食の二極化が進行している。

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